055. KCNEファミリーによるKCNQ1チャネルの電位センサーの動きの調節

KCNQ1は心臓、内耳などに発現する電位依存性カリウムチャネルであり、QT延長症候群の原因遺伝子としても知られている。心臓のIKs電流が KCNQ1とKCNE1の複合体によって担われているように、KCNQ1による電流の性質は、βサブユニットKNCEファミリーの存在・種類によって調節 されている。今回我々は、KCNEファミリーによるKCNQ1チャネルの調節のメカニズムを明らかにする目的で、KCNEの存在が電位センサードメインの 動きに与える影響について調べた。電位センサーの中心部位であるS4セグメントにシステインの変異を導入し、システイン残基を化学修飾するMTS試薬を細 胞外から投与して、その修飾速度がKCNEの有無やその種類、また膜電位によってどのように変化するかを解析した。その結果、KCNE1存在下では KCNQ1の電位センサーが”down state”に、KCNE3存在下では”up state”にそれぞれ安定化することが明らかとなった(図)。今回の結果はKCNEによるKCNQ1の修飾のメカニズムに電位センサーが関与しているこ とを示唆している。Nakajo & Kubo, J. Gen. Physiol., 130: 269-281, 2007
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KCNE1(青)は電位センサーを”down state”に安定化するが(左)、KCNE3(黄)は電位センサーを”up state”に安定化する(右)。