JJP和文要旨 vol 49 no 4

自律的神経-内分泌性制御交換器としての体温調節

  • Thermoregulation as a switchboard of autonomic nervous and endocrine control
  • Eckhart Simon (Department of Physiology, Max-Planck-Institute for Physiological, and Clinical Research, W.G. Kerckhoff-Institute, Germany)

心血管系,免疫系機能の交感神経性調節,エネルギ−平衡のホルモン性調節,塩類体液平衡の神経内分泌性調節と体温調節系との相互関係について,最近の神経生理学,神経組織学,遺伝子欠損モデルなどからの成果を中心に考察した. [Review pp. 297-323] [English abstract]

骨格筋興奮収縮連関の分子機構

  • Molecular aspects of excitation-contraction coupling in skeletal muscle
  • 飯野 正光 (東京大学大学院医学系研究科)

骨格筋細胞の脱分極に続き,筋小胞体からカルシウムが放出され収縮を引き起こす.この際,ジヒドロピリジン受容体が膜電位センサーとして,リアノジン受容体がカルシウム放出チャネルとして働く.この分子機構が解明されつつある. [Review pp. 325-333] [English abstract]

ラット顎下腺腺房細胞のカルバコール誘発クロライド電流および水分泌に及ぼすイソプロテレノールの影響

  • Modulation of carbachol-induced Cl− currents and fluid secretion by isoproterenol in rat submandibular acinar cells
  • 田中 秀司,柴 芳樹,中本 哲自1,杉田 誠,広野 力 (広島大学歯学部口腔生理学講座・1歯科補綴学講座)

イソプロテレノール (IPR) は, カルバコール (CCh) 刺激時のラット潅流顎下腺からの水分泌と,分離細胞での CCh による振動性 Cl− 電流を抑制し, 非振動性 Cl− 電流を増強した,IPR による水分泌抑制での,振動性 Cl− 電流抑制の関与が示唆された. [Regular paper pp. 335-343] [English abstract]

絶食・再摂食時の褐色脂肪組織 (BAT) 熱産生と膜リン脂質脂肪酸組成の変化

  • In vitro thermogenesis and phospholipid fatty acid composition of brown adipose tissue in fasted and refed rats
  • シャハ シャマル クマル,大野都 美恵1,大日向 浩,黒島 晨汎 (旭川医科大学生理学第一講座,1北海道教育大学旭川校健康福祉コース)

72 時間絶食により,in vitro BAT 酸素消費量が低下し,摂食で回復した.絶食は BAT リン脂質のドコサヘキサエン酸を減少させ,再摂食は回復させた.両者の間に正の相関があり,ドコサヘキサエン酸が BAT 熱産生に関係することが推測された. [Regular paper pp. 345-352] [English abstract]

膵臓のβ-細胞における spike-burst の発生と Ca2+ 濃度の振動に関するシミュレーション

  • Simulation of spike-burst generation and Ca2+ oscillation in pancreatic β-cells
  • 三輪 嘉尚,今井 雄介1 (京都大学大学院薬学研究科,1大阪医科大学第一生理学教室)

膵臓のβ-細胞における spike-burst の発生と Ca2+ 濃度の振動現象について,Na-Ca 交換ポンプと Na-K 能動輸送との協奏的な働きによる Ca2+ の排出過程がこれらの現象の重要な担い手となるとする新たなモデルを仮定し,シミュレーションを行った. [Regular paper pp. 353-364] [English abstract]

ラット胃酸分泌細胞基底側膜におけるプロスタグランジン E2 で活性化されるハウスキーピング Cl− チャネル

  • Prostaglandin E2-activated housekeeping Cl− channels in the basolateral membrane of rat gastric parietal cells
  • 五十里 彰,酒井 秀紀,田中 亜貴子,池田 敦,井上 華奈子,竹口 紀晃 (富山医科薬科大学薬学部薬物生理学)

ラット単離胃酸分泌細胞の基底側膜に,プロスタグランジン E2 で (EP3 レセプターを介して) 活性化され Cl− チャネル (約 0.3 pS) が存在することを明らかにした.この活性化機構には細胞内 Ca2+ 濃度上昇が関与していた. [Regular paper pp. 365-372] [English abstract]

ネコの片腎摘出後に見られる腎肥大に与える除神経の影響

  • Effect of renal denervation on the compensatory renal growth following nephrectomy in the cat
  • 和田 哲也,松川 寛二,村田 潤,松本 睦子1,中島 一恵 (広島大学医学部保健学科,1広島国際大学)

ネコを用いて除神経の腎重量に与える影響を対照時および腎摘出後に検討した.腎神経は対照時の腎重量維持に関与していた.一方,片腎摘出後の対側腎臓の代償性肥大は腎神経以外の要因により起こることが示唆された. [Regular paper pp. 373-377] [English abstract]

全血の曲線と同等な赤血球酸素解離曲線の自動測定

  • Automatic measurement of the red cell oxygen dissociation curve identical with the whole blood curve
  • アブドル・ハッサン・モハメド-マウジュド,今井 清博 (大阪大学大学院医学系研究科情報生理学講座)

酸素電極法と分光測光法を組み合わせて完全なヘモグロビンの酸素解離曲線を自動記録する Imai 型装置に,光散乱のノイズを軽減するための積分球を設け,検出光波長や緩衝液システムの最適条件を検討して,赤血球浮遊液から全血と同等の酸素解離曲線を 得る方法を開発した. [Regular paper pp. 379-387] [English abstract]

モルモット心室筋に対する一酸化窒素発生剤 NOC7 の二相性の変力作用

  • Biphasic nature of inotropic action of nitric oxide donor NOC7 in guinea-pig ventricular fiber
  • 大場 三榮,河田 溥 (福岡大学医学部生理学第二)

一酸化窒素がその濃度に応じて心室筋の単収縮力を二相性に変化させた.この作用は筋原線維の Ca2+ 感受性や筋小胞体機能の変化によるものではないことをβ-escin 処理スキンド線維を用いて示した. [Regular paper pp. 389-394] [English abstract]

唾液乳酸濃度による最大乳酸平衡濃度の測定

  • Determination of the maximum steady state of lactate (MLSS) in saliva: an alternative to blood lactate determination
  • (Departamento de Ciencias Morfologicas y Fisiologia, Universidad de Madrid, Spain, Margarita Perez,Alejandro Lucia,Alfredo Carvajal1,Javier Pardo1,Jose J. Chicharro21Escuela de Medicina Deportiva, Universidad Complutense de Madrid, Spain,2Escuela de Enfermeria, Fisioterapia y Podologia, Universidad Complutense de Madrid, Spain)

唾液乳酸濃度が血中乳酸濃度と平行して上昇することより,運動負荷時の唾液乳酸濃度変化の閾値を求め,この閾値が 0.8 mM であることを明らかにした.また運動時の血中最大乳酸濃度の平衡値を唾液乳酸濃度から推定する可能性を示した. [Regular paper pp. 395-400] [English abstract]