興奮過程に伴い神経繊維および神経細胞内に誘起される急速な構造変化
- Rapid structural changes in nerve fibers and cells associated with their excitation processes
- Ichiji Tasaki (NIH, USA)
有髄神経における跳躍伝導の発見者として名高い田崎一二博士がご自身で最新の微小変位測定法を駆使して検出された神経興奮時における細胞質構造変化の意義を総説されたもの. [Review pp. 125-138] [English abstract]
高強度運動負荷時および負荷後の二酸化炭素過剰排出動態
- Kinetics of excess CO2 output during and after intensive exercise
- 柚木 孝敬 (北海道大学高等教育機能開発総合センター)
高強度運動負荷時の乳酸生成は,負荷終了後に CO2 の過剰排出をもたらした.また,負荷終了時には, ETCO2 が安静時以下に低下した.この結果は,CO2 過剰排出量は乳酸の増加と関係するが,過換気にも影響されることを示唆する. [Regular paper pp. 139-144] [English abstract]
フェレット右室乳頭筋の等尺性収縮張力曲線のハイブリッド・ロジスティック特性
- Hybrid logistic characterization of isometric twitch force curve of isolated ferret right ventricular papillary muscle
- 水野 樹1,2,実金 健1,荒木 淳一1,畑島 峰子3,森反 俊幸3,石川 哲也4,小武海 公明4,栗原 敏4,平川 方久2,菅 弘之1 (岡山大学医学部 1生理学第二講座・2麻酔・蘇生学講座,3鈴鹿医療科学大学医用工学部医用電子工学科,4東京慈恵会医科大学医学部生理学講座第二)
摘出表面潅流フェレット乳頭筋の等尺性収縮張力波形が、筋長やカルシウム濃度にかかわらず,二つのロジスティック関数の差として表されることを証明した.これはクロスブリッジ運動の統合的表現として興味ある知見である. [Regular paper pp. 145-158] [English abstract]
ビタミン C および E の高所のヒト局所寒冷刺激に対する末梢血管反応修飾に対する効果
- Effect of vitamin C and E in modulating peripheral vascular response to local cold stimulus in man at high altitude
- S.S. Purkayastha,R.P. Sharma,G. Ilavazhagan,K. Sridharan,S. Ranganathan,W. Selvamurthy (Defence Institute of Physilogy & Allied Sciences,India)
高度 3700 m における男性被験者の減弱寒冷末梢血管拡張反応をビタミン C (500 mg/日) およびビタミン E (400 mg/日) 投与が改善した,最大効果はビタミン C によって得られ,ビタミン C と E の同時投与は相加効果を示さなかった.従ってビタミン C が高所での末梢寒冷障害の改善に有効である. [Regular paper pp. 159-167] [English abstract]
Power-duration curve を規定する一定値パラメータ W’ に及ぼすクレアチン経口投与の影響
- The effect of oral creatine supplementation on the curvature constant parameter of the power-duration curve for cycle ergometry in humans
- 三浦 朗,木野 扶美子,梶尾 さおり,佐藤 広徳1,佐藤 陽彦2,福場 良之 (広島女子大学生活科学部,1広島工業大学,2九州芸術工科大学)
本研究では,クレアチンの経口投与が,脚の自転車運動における発揮パワー (P) と運動継続時間 (t) の関係 (直角双曲線関係 [(P − θF)・t = W’]) に影響を及ぼすか否かを検討した.結果として,クレアチン投与によって,θF に変化は見られなかったが,W’ は有意に増加した. [Regular paper pp. 169-174][English abstract]
ブタ冠動脈におけるエンドセリン-1 による収縮増強作用へのプロテインキナーゼ C-δの関与について
- Contractile potentiation by endothelin-1 involves protein kinase C-δ activity in porcine coronary artery
- 中山 貢一,畑 信三,佐藤 桂,小出 昌代,石井 邦雄,中山 貢一 (静岡県立医科大学薬学部)
ブタ冠動脈において 4 種類のプロテインキナーゼ C (PKC) のアイソフォーム PKCα,PKCβ1,PKCδおよび PKCζの存在が確認され,それらのうちエンドセリン-1 による収縮増強作用には PKCζが関与することが示唆された. [Regular paper pp. 175-183] [English abstract]
ノルアドレナリン,アドレナリン,ヴァゾプレッシン,アンジオテンシンの静脈注入による無麻酔下ラットの局所血流抵抗の変化
- Regional hemodynamic responses to exogenous catecholamines and vasoactive peptides in conscious rats
- 竹本 裕美 (広島大学医学部)
種々状況下において中枢性に血中に放出されて昇圧性に作用する可能性のある 4 種類の物質を静脈注入して,用量と 5 箇所の局所血流抵抗反応の関係を明らかにした.すべての血管床が同様に反応するわけではない. [Regular paper pp. 185-191] [English abstract]
運動鍛練者の寒冷暴露による尿中ナトリウム排出量の抑制
- Attenuation of urinary sodium excretion during cold air exposure in trained athletes
- 芳田 哲也,永島 計,中井 誠一,寄本 明,河端 隆志,森本 武利 (京都府立医科大学)
運動鍛練者と非鍛練者と対象に寒冷暴露による尿中ナトリウム排出量 (UNaV) の変化を比較した.非鍛練者の UNaV は寒冷暴露時に増加したが,運動鍛練者の UNaV 増加は認められず,運動鍛練による体液調整系の変化が示唆された. [Regular paper pp. 193-199] [English abstract]
ラット腎髄質内層集合管細胞の側底型 Na/K/2Cl 輸送体の誘導におけるバゾプレッシンと高浸透圧刺激の有効性
- Roles of vasopressin and hypertonicity in basolateral Na/K/2Cl cotransporter expression in rat kidney inner medullary collecting duct cells
- 安西 尚彦,泉田 いぶき1,小林 豊1,河原 克雅 (北里大学医学部 生理・1内科)
側底型 Na/K/2Cl 輸送体 (rNKCC1) の発現誘導を,ラット培養腎髄質内層集合管細胞において調べた.高浸透圧刺激 (500 mOsm/kgH2O) は,rNKCC1 を mRNA と蛋白のレベルで増加させたが,バゾプレッシン (10−8 M) は一過性の rNKCC1 mRNA 増加のみ誘導した. [Short communication pp. 201-206] [English abstract]
中型実験動物用の完全自動化した間欠的低酸素曝露環境装置の開発
- A fully-automated environmental chamber for examination of long-term effects of intermittent hypoxia on medium-size animals
- Xavier Chaufour,Faiq G. Issa,Colin Sullivan,Craig McLachlan,Gunnar Unger (University of Sydney, Australia)
ウサギなどの中型動物 4 匹を同時に低酸素環境に曝露する安価な環境装置を開発した.この装置を用いると,動物を飼育しながら低酸素環境 (12−13% O2) に自動的かつ間欠的に長期間曝露することが可能である. [Technical paper pp. 207-211] [English abstract]