アプリシアニューロンでみられるPKCの活性化による受容体とG蛋白の間の機能的アンカップリング
- Functional uncoupling between the receptor and G-protein as the result of PKC activation, observed in Aplysia neurons
- 佐々木和彦,川崎 敏,木村眞吾,藤田玲子,高島浩一郎,松本光比古,佐藤 誠(岩手医大医学部第一生理)
[Regular paper pp. 241-249] [English abstract]
フェレット心室筋におけるカフェインおよび急速冷却により放出されたCa2+除去に対するミトコンドリアの関与
- Contribution of mitochondria to the removal of intracellular Ca2+ induced by caffeine and rapid cooling at low temperatures in ferret ventricular muscles
- 田中悦子,栗原 敏(東京慈恵会医大第二生理)
白イタチの心室筋内のカルシウム濃度変化を発光タンパクエクオリンで測る系を用いて,急速冷却,カフェイン刺激,電気刺激で駆動したときの細胞内遊離カル シウムの除去機構を調べた.その結果,急速冷却とカフェイン刺激ではミトコンドリアの寄与が大きいことを示した.[Regular paper pp. 251-262] [English abstract]
フェレット心室筋における急速冷却とカフェインによるCa2+放出機構
- Ca2+ release induced by rapid cooling and caffeine in ferret ventricular muscles
- 田中悦子(東京慈恵会医大第二生理)
上の論文と同じ系を用いて,急速冷却とカフェイン刺激によるカルシウム動員機構を調べた.その結果,前者のカルシウム動員機構には細胞内ナトリウムを必要とし,後者とは異なる機構であると結論した.[Regular paper pp. 263-272] [English abstract]
ルテニウムレッド処理フェレット心室筋の細胞機能と電顕像
- Effects of ruthenium red on the cellular functions and ultrastructure in intact ferret ventricular muscles
- 田中悦子,川井 真,栗原 敏,堀田康明*,Soji, T.*(東京慈恵会医大第二生理,*名古屋市立大医学部第一解剖)
上の論文と同じ標本を用いて,ルテニウムレッドの作用を調べた.その結果,ルテニウムレッドは筋小胞体からのカルシウム放出の抑制,ミトコンドリアのカル シウム取り込みの阻害,収縮蛋白質系のカルシウム感受性の低下をきたすこと,更に細胞内に入ることを形態学的にも示した.[Regular paper pp. 273-281] [English abstract]
イヌ血液潅流右室乳頭筋の等尺性単収縮のハイブリッドロジスティック性
- Hybrid logistic characterization of isometric twitch force-time curve of intact blood-perfused canine right ventricular papillary muscle
- 坂本泰祐,高木 都*,幡 芳樹,松原広己,荒木惇一,菅 弘之(岡山大医学部第二生理,*奈良県立医大第二生理)
心室の等容量収縮・弛緩時の内圧は,圧上昇相および下降相に対応する2つのS字状曲線の差として表されるが,同じ事情は,右心室の乳頭筋の等長性収縮およ び弛緩に関しても成り立つことを交叉循環した犬の心臓で見出した.[Regular paper pp. 283-289] [English abstract]
交差緩和時間測定による軟骨内の水状性の研究
- Cross-relaxation times of normal and biochemically induced osteoarthritic rabbit knee cartilages
- 桑田一夫,佐藤真司*,恵良聖一,曽我美勝,木田公洋*,岩間 亨**,加藤一夫***,松永隆信*,亘 弘****(岐阜大医学部第二生理,*同整形外科,**同神経外科,***同第一病理,****生理学研究所)
桑田らは,NMRを用いて家兎膝関節軟骨からのプロトンのスピン格子緩和時間と交差緩和時間を測定し,ヨード酢酸によって得た変形性関節症モデルでは前者 は正常だが後者が有意に短縮することをはじめて明らかにした.これはおそらく本変性疾患における軟骨内蛋白(おそらくコラーゲン)の組成変化によるものと 著者らは推定している.いずれにせよ,NMR法はこの方面でも優れた非侵襲的検査法となりそうだ.[Regular paper pp. 291-297] [English abstract]
マウス膵B細胞におけるNa+流入の抑制のよる細胞内ATP濃度の上昇
- Suppressing Na+ influx induces an increase in intracellular ATP concentration in mouse pancreatic β-cells
- 丁 維光,北里 宏(滋賀医大第二生理)
マウスラ氏島β-細胞においてNa+流入を抑制するとATP感受性K+チャネルが閉じて脱分極がおこる.この現象が細胞内のNa濃度が減少し膜NaポンプのATPの消費が減少してATP濃度が上昇した結果であることを示した論文.[Regular paper pp. 299-306] [English abstract]
磁気によるヒト白血球細胞のアポトーシス誘導
- Induction of apoptosis in human leukemic cells by magnetic fields
- 久光 正,成田和広,笠原多嘉子,瀬戸 明,Yu, Y.,浅野和仁*(昭和大医学部第一生理,*同医動物学)
50Hzの低周波電磁波をヒト骨髄性白血病のセルラインであるHL-60とML-1に照射するとアポトーシスが起こるが,正常白血球では起こらないことを 発見し,低周波電磁波の医学への応用の可能性を示唆した短報である.[Short communication pp. 307-310] [English abstract]
ラット潅流顎下腺の浸透圧負荷後の間質浸透圧の経時変化の推定
- A method to estimate the transient interstitial osmolarity change upon application of osmotic stress in perfused rat submandibular gland
- 吉田秀世,中張隆司,今井雄介(大阪医大第一生理)
細胞間液の浸透圧をリアルタイムで測定することは困難である.著者らは臓器潅流実験における細胞外空間での潅流液交換についてのモデル化を行い,その検証 のため潅流液のClのステップ交換とAg-AgCl電極を用いて細胞間隙のCl濃度変化を測定した.[Technical note pp. 311-316] [English abstract]