日本生理学雑誌 第73巻 5号

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表紙の説明

第87 回日本生理学会大会一般講演(ポスター)
演題番号:2P-J-08
演題:“The importance of cholesterol and membrane lipid rafts as a platform of signaling pathway in abnormal vascular smooth muscle contraction”
演者:加治屋勝子,岸 博子,川道穂津美,高田雄一,徳森大輔,王 晨,小林 誠
所属:山口大学大学院医学系研究科生体機能分子制御学

SPC による血管平滑筋の異常収縮における細胞膜上マイクロドメイン「ラフト」の重要性
血管攣縮などの異常収縮の原因分子であるスフィンゴシルホスホリルコリン(SPC)は,細胞膜の中でもコレステロールやスフィンゴミエリンを豊富に含む膜ラフトドメインに選択的に作用し,細胞質に存在しているFyn を膜ラフトの方へ移動させて活性化する.さらに,活性型のFyn が,Rho キナーゼを膜ラフトへ移動させて活性化し,血管の異常収縮を引き起こす.一方,膜ラフトがない場合では,Fyn やRho キナーゼが細胞膜へ移動できず,異常収縮が起こらない.
つまり,膜ラフトは,血管異常収縮のシグナル伝達の反応の場であると言える