CONTENTS
- CALENDAR - 主な研究集会日程 P.154～
- INFORMATION - 第33 回組織細胞化学講習会 P.151～
- INFORMATION - 第55 回中部日本生理学会(第1 報) P.151～
- INFORMATION - 第60 回生理学会中国四国地方会開催要項 P.151～
- INFORMATION - 財団法人ソルト・サイエンス研究財団「平成20 年度研究助成の決定」,「第20 回助成研究発表会」および「ソルト・サイエンス・シンポジウム2008」について P.151～
- AFTERNOON TEA - 齋藤康彦 「最大級の褒め言葉」 P.146～
- AFTERNOON TEA - 粟生修司 「複雑な世界の中の単純な反応」 P.146～
- AFTERNOON TEA - 田丸文信 「血液検査の快感～γGTP 値でたどる思い出の酒～」 P.146～
- HELLO PSJ - マサチューセッツ工科大学 Morgan Sheng 研究室 (多田智子) P.144～
- SCIENCE TOPICS - チャネル分子のねじれがイオンの通り道を開閉する (清水啓史) P.143～
- VISION - キリン,鶴,金魚―生理学教育と比較生理学 (頴原嗣尚) P.141～
- IN JJP - Vol. 57,No. 1 P.155～
- IN JJP - Vol. 57,No. 2 P.155～
表紙の説明
第84 回日本生理学会大会(大阪)
演題番号: 2PIA-033
演題: 「情動と学習における環状ジペプチドcyclo(His-Pro)の影響」
“Effects of cyclic dipeptide, cyclo(His-Pro)on emotion and learning”
演者: 鎌谷友裕 粟生修司
所属: 九工大院・生命体工学・脳情報
Cyclo(His-Pro)(以下CHP)は,甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン由来の内因性環状ジペプチドである.CHP は摂食抑制物質として知られているが,その他の作用についてはよくわかっていない.そこで,雄性ウィスターラットにCHP 0.1mg/kg を腹腔内投与し(対照群10 匹,CHP 群11 匹),各種行動試験に及ぼす影響を調べた.A)活動性や探索行動の指標となるオープンフィールド試験において,CHP 群は対照群に比べて有意に立ち上がり行動回数が増加し,探索行動を増加させた.B)不安情動の指標となる高架十字迷路試験において,CHP 群は対照群に比べて有意にクローズドアーム滞在時間が増加し,不安情動を増強した.C)受動的回避学習試験において,暗室で電気ショックを受けた24 時間後の暗室潜入潜時回を測定した.CHP 群は対照群に比べて有意に進入潜時が短く回避学習能の減弱を示唆した.D)多連微小電極法により,ウレタン麻酔下のラット視床のニューロン活動の抑制を見出した. これらの結果は, CHP の不安情動や回避学習などに対する調節作用を示す.
