日本生理学雑誌 第69巻 11号

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表紙の説明

第84 回日本生理学会大会(大阪)
演題番号:3PHP-022
演題:「受容体エンドサイトーシスの調節におけるCIN85 の機能解析」
“Functional analysis of CIN85 in regulation of receptor endocytosis”
演者:下川哲昭,ロンドニョマリーナ,邱春紅,鯉淵典之
所属:群馬大学・院医・器官機能生理学分野
上皮増殖因子受容体(EGFR)はEGF と結合後,二量体形成,チロシンリン酸化に引き続き多様なアダプター蛋白質との結合やキナーゼの活性化等を介して生理機能を発現する.(図上段).
我々はEGF の刺激後,EGFR が細胞膜上から細胞内に移行し分解に至る過程にCIN85(Cbl-interacting protein of 85 kDa)が関与していることを見いだした.CIN85 はubiquitin ligase として機能するCbl を介してmonoubiquitination(モノユビキチン化)される.モノユビキチン化はエンドゾームへのsorting signal として働くとされている.さらにCbl はEGFR をポリユビキチン化する.これらにEndophilin を含めた膜輸送に関する分子群が複合体(トランスポートソーム)を形成して一緒にエンドゾームに輸送され分解過程へ移行する(図下段).この機構は過剰な情報から細胞機能を守る情報伝達のダウンレギュレーションとして極めて重要な仕組みである.
下段右ブロット:HEK293T 細胞にEGFR,FLAG-tagged CIN85,Cbl,FLAG-tagged ubiquitin を発現させ,EGF(100ng/ml)で10 分間刺激した.細胞の可溶化液(cell lysate)を抗CIN85 抗体で免疫沈降(IP)を行い,抗FLAG 抗体でWestern blot を行った.FLAGtagged CIN85 のバンドより約8kD 上にモノユビキチン化されたCIN85,185kD 付近からポリユビキチン化されたEGFR が同定された.