日本生理学雑誌 第69巻 9号

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表紙の説明

第84 回日本生理学会大会(大阪)
演題番号: 3PHP-017
演題: 「プレシナプスにおけるアクティブゾーンタンパク質とカルシウムチャネルの機能的相互作用」
“An active zone scaffolding protein functionally associates with presynaptic calcium channels”
演者: 三木崇史1, 清中茂樹1, 野中美応2, 瓜生幸嗣1, 若森実1, 森恵美子1, 原雄二3, Michel de Waard4, 板倉誠5, 尾藤晴彦2, 高橋正身5, Kevin P Campbell3, 森泰生1
所属: 1 京都大院・工・合成生物化学, 2 東京大院・医・神経化学, 3 アイオワ大学, 4 インセルムU607, 5 北里大学・医・生化学

a: プレシナプスアクティブゾーンでの電位依存性カルシウムチャネル (VDCC) とRIM1との機能的相互作用モデル図. シナプス小胞はRIM1 とVDCC-β サブユニットやその他のアクティブゾーンタンパク質との相互作用を介してプレシナプスアクティブゾーンにanchoring される. また, VDCC はβ サブユニットを介したRIM1 との相互作用により, アクティブゾーンで持続的にカルシウムイオンを流入させる. このメカニズムにより, カルシウム流入依存性の神経伝達物質放出が維持・増強されると考えられる. また, VDCC とRIM1 との結合距離が, 流入したカルシウムがシナプス小胞の融合を引き起こすまでの, 時間依存性ダイナミクスを決定すると考えられる.
b: (左) 培養海馬神経細胞におけるRIM1 とβ4 サブユニットの免疫染色. RIM1 とβ4 サブユニットは, 培養23 日目の神経細胞において, クラスターを形成し共局在していた. (中央) 形質膜にdocking している, ニューロペプチドY(Venus 融合)を含む, シナプス小胞のTIRF イメージ. RIM1 を発現させることで, 形質膜にdocking しているシナプス小胞の数が増加した. (右) BHK 細胞に発現させたP/Q 型電位依存性カルシウムチャネル電流. RIM1 あり(赤), なし(黒)での Ba2+電流を電流の最大値で標準化している. RIM1 を発現させることで, 不活性化が顕著に減速した.