日本生理学雑誌 第67巻 4号

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表紙の説明

第81回目本生理学会大会 (札幌)

演題番号: 2P090, 2P091

演題:「マウス海馬苔状線維終末における N- および R- タイプカルシウムチヤネルのヘテロな発現」

“Heterogenous expression of N- and R-type Ca2+ channels among large mossy fiber terminals in mouse hippocampus”

Abstract #372: Japanese Journal of Physiology 54 (Suppl) S159 (2004)

演者: 八尾 寛1・2, 宮崎憲一1・2, 真鍋友則1・2, 徳永太乙2・3, 石塚 徹1・2

所属: 1東北大・院・生命科学・脳機能解析, 2科学技術振興機構CREST, 3東北大学・院・医・袖経細胞制御学

「マウス海馬苔状線維終末における2価イオン動態の可視化」宮崎憲一, 石塚徹, 八尾 寛

蛍光デキストラン投与法の概略. ガラスピペット (先端径10-200 µm) の先端に蛍光デキストラン溶液をつめ, 真空乾燥させたものを用意する. これを海馬スライスの歯状回顆粒細胞層に挿入すると, 細胞膜の傷口から蛍光ヂキストランが細胞内に取り込まれるが, 傷口が修復するとともに順行性に軸索輸送され,シナプス前終末が標識される. カルシウム感受性蛍光デキストランの Oregon Green 488 BAPTA-1dextran (Molecular Probes) と非感受性の Alexa Fluor 546 dextran (Molecular Probes)の混合物を用いた.

蛍光デキストランの順行性輸送. 海馬歯状回 (DG) に投与した蛍光デキストランが軸索輸送され, CA3領域の苔状線維が同定された.

苔状線維終末の同定 (3次元画像の再構築). レーザー共焦点頼微鏡 (He-Neレーザー,543nm) 下に苔状線維終末を同定し,3次元画像を取得した. 同一軸索上の隣接する2つの苔状線維終末について, ラインスキャン画像の取得を同時におこなった(点線).

ラインスキャン画像. Cの2つの終末におけるカルシウム感受性デキストランの蛍光強度を経時的に測定した (Arレーザー, 488nm). 点線の時刻において苔状線維を電気刺激した.

蛍光強度を△F/Fに換算したものをグラフ表示した. Cの矢印で示した終末のデータを示す. 本実験では,細胞外のCa2+をSr2+で置き換えている. Oregon Green 488 BAPTA-1 dextranのSr2+に対するK。値は, 3.18 µMなので, この色素はSr2+に対しては低親和性指示薬として機能する (Tokunaga et al., 2004).