日本生理学会雑誌81巻1号

CONTENTS

表紙の説明

Cover_20190201

〈表紙の図〉

大会名:第95回日本生理学会大会

演題番号(UMIN No.):10475

発表番号(Program No.):3P-048

演題名:PVN-RVLM神経は心不全における交感神経機能不全に関わるか?

演題名(英語):Are PVN-RVLM neurons involved in sympathetic dysfunction in heart failure?

演者:花井映里,木場智史,熊田奈桜,渡邊達生

所属:鳥取大学医学部統合生理学分野

説明(キャプション):

 心不全などの心疾患では交感神経活動が過剰となるが,その異常生成メカニズムはよく分かっていない.最近我々は,視床下部室傍核(PVN)から延髄吻側腹外側野(RVLM)への投射神経(PVN-RVLM神経)は交感神経活性能を持つことを証明した(Koba et al., J Physiol, 2018).PVN-RVLM神経の機能異常が心不全での交感神経過活性を担う可能性が考えられた.本研究では,PVN-RVLM神経の活動抑制時の交感神経活動変化に対する心不全の影響を調査した.健常対照ラットのPVN-RVLM神経の活動抑制は交感神経活動に影響しなかった一方,心筋梗塞由来の慢性心不全モデルラットでは交感神経活動を抑制した.この知見から,PVN-RVLM神経は心不全における交感神経機能不全に関わることが推察された.

A:ラット心左冠動脈の結紮による心筋梗塞群(myocardial infarction,MI),および偽手術による健常対照群(Sham)を作成した.結紮術から約三週間後,アーキロドプシンを発現させるためのアデノ随伴ウイルスベクター(AAV)をPVNに局所注入した.注入術から約三週間後,RVLMに緑光を照射してアーキロドプシンを活性化することでPVN-RVLM神経活動を抑制した際の腎交感神経活動(RSNA)変化を観察した(麻酔下).RSNA変化をSham群とMI群とで比較した.

B:MIラットRVLMにおける共焦点顕微鏡写真.AAVに感染したPVN神経の軸索末端は,延髄C1神経(アスタリスク)の樹状突起に近接した(矢印).スケールバー,50μm.

C:ShamおよびMIラットの心横断面(マッソントリクローム染色).スケールバー,5mm.

D:MIラットRVLMに緑光を一秒間照射した際のRSNA反応例.RVLMへの緑光照射はMI群のRSNAを抑制した一方で,Sham群のRSNAには影響しなかった.

利益相反の有無:なし