日本生理学会雑誌80巻4号

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表紙の説明

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〈表紙の図〉

大会名:第95 回日本生理学会大会

演題番号:2P-118

演題名:ゼブラフィッシュにおけるジャンクトフィリンの発現と機能の研究

演題名(英語):Study of junctophilins(JPHs)in a zebrafish larva

演者:坂田宗平,小野富三人

所属:大阪医科大学医学部生理学教室

説明(キャプション):筋細胞において活動電位が筋小胞体からのCa2+ の放出を惹起するには筋小胞体が細胞膜に近接して存在する必要がある.ジャンクトフィリン(JPH)は小胞体膜と細胞膜を架橋する.JPH を欠損したマウスの心臓では正常なポンプ機能が損なわれることからも,JPHが生理的に重要な役割を果たしていることは明らかである.JPH はJPH1 からJPH4 まで4 つのサブタイプが存在することが知られており,マウスの骨格筋ではJPH1,心筋ではJPH2 が発現していることが報告されている.一方,最近ニジマスのmRNA を網羅的に解析した研究では,骨格筋でJPH2 が発現していることが示唆されており,マウスで得られた知見とは齟齬がある.そこで我々は同じ魚類でモデル動物であるゼブラフィッシュを用いJPH の発現解析を行った.まずゼブラフィッシュのゲノムデータベースを検索すると,ゼブラフィッシュはJPH1 を2 つ,およびJPH2 とJPH3 を一つずつ持ち,JPH4 を持たないことが分かった.In situ hybridization により,マウスとは異なりゼブラフィッシュのJPH2 は骨格筋と心臓の両方で発現していることが分かった.さらにアンチセンスモルフォリノをインジェクションし,JPH2 のノックダウンを行うと,逃避行動における最初の体の屈曲角度が浅くなる傾向が見られた.これらの結果はJPH2 がゼブラフィッシュの骨格筋で発現し,生理的な機能を有していることを示唆している.

A:マウスおよびゼブラフィッシュのJPH の分子系統樹

B:In situ hybridization によるJPH1a,およびJPH1b,JPH2 の発現解析

C:アンチセンスモルフォリノのインジェクションによるJPH2 のノックダウン(左のパネル)ゼブラフィッシュの逃避運動を3ms ごとに示した.(真ん中のパネル)屈曲角度の時間変化.複数例を重ね書きして示した.(右のパネル)最初の屈曲の最大角を野生型とモルフォリノをインジェクションしたものとで比較した.

利益相反の有無:なし