胃平滑筋における筋原性活動の発現機序
- Cellular Mechanisms of Myogenic Activity in Gastric Smooth Muscle
- 鈴木 光 (名古屋市立大学医学部生理学教室)
胃 腸平滑筋の筋間神経叢に分布するカハールの間質細胞が消化管自動運動の歩調取り細胞で,自動運動発現には細胞内カルシウムイオンの制御やイノシトールリン 酸受容体などが関与しているなど,胃運動発現機序に関する最近の知見をまとめた. [Review pp. 289-301] [On PubMed] | [JJP-Online]
微小重力環境に対する神経・筋の適応
- Neuromuscular Adaptation to Microgravity Environment
- 大平 充宣 (鹿屋体育大学スポーツ科学講座)
骨 格筋の形態的・機能的特性は,環境の変化に対し適応する.たとえば,速筋化を伴った萎縮は,微小重力環境に対する抗重力筋の一般的な適応である.本稿で は,微小重力環境に対する神経・筋の適応及びそのメカニズムについてまとめてみた. [Review pp. 303-314] [On PubMed] | [JJP-Online]
中心及び周辺視野に関連した,深さ方向のリニアベクションに誘発された身体動揺
- Body Sway Induced by Depth Linear Vection in Reference to Central and Peripheral Visual Field
- 川北 哲也,久野 慎介,三宅 養三,渡邊 悟* (名古屋大学医学部眼科,*大同産業医学研究所)
深 さ方向の視覚性運動刺激により,誘発される身体動揺及び vection に対する視野遮断効果について解析した.周辺視野遮断が中心視野遮断に比較し,身体動揺及び vection に対する影響が大きいことが明かとなった. [Regular paper pp. 315-321] [On PubMed] | [JJP-Online]
ほ乳類大腸における L-アラニンオリゴペプチドによる Cl 分泌の活性化
- Stimulation of Cl− Secretion by l-Alanine Oligopeptides in the Mammalian Large Intestine
- 池原 修,新保 斎,桑原 厚和*,鈴木 裕一 (静岡県立学食品栄養科学部生理学研究室,*環境科学研究所環境生理学研究室)
ジペプチド L-alanyl-L-alanine のマウス盲腸漿膜側への投与は,壁内神経を介した Cl− 分泌を引き起こすことが示唆された. [Regular paper pp. 323-328] [On PubMed] | [JJP-Online]
マウス赤白血病細胞のカフェインによる未成熟染色体凝縮は加圧処理により増大する
- High Pressure Sensitizes Murine Erythroleukemia Cells to Caffeine-Induced Premature Mitosis
- 松本 雅記,山口 武夫,中園 敬介,服巻 保幸,寺田 成之 (福岡大学理学部化学)
加 圧処理したマウス赤白血病細胞のカフェインによる未成熟染色体凝縮は MPF の活性化により誘導された.また,DNA ポリメラーゼのようなアフィディコリンにより活性が阻害される分子もまた G2 期から M 期への移行において重要な役割を演じていることが示唆された. [Regular paper pp. 329-336] [On PubMed] | [JJP-Online]
一酸化窒素とラット褐色脂肪組織熱産生機能
- Nitric Oxide and Thermogenic Function of Brown Adipose Tissue in Rats
- シヤマ−ル・クマ−ル・シャハ,黒島 晨汎 (旭川医科大学生理学第一講座)
ラッ ト褐色脂肪組織の熱産生を直接 in vitro 酸素消費で検討し,一酸化窒素の産生が基礎熱産生およびノルアドレナリン刺激熱産生と相関して増大することから,一酸化窒素が褐色脂肪組織熱産生の調節因 子であることが示唆された. [Regular paper pp. 337-342] [On PubMed] | [JJP-Online]
血管内皮増殖因子によるリンパ管内皮細胞内カルシウム動態とリンパ管拡張作用機序の解明
- Effects of VEGF on Ca2+-Transient in Cultured Lymphatic Endothelial Cells and Mechanical Activity of Isolated Lymph Vessels
- 荒井 史,水野 理介,大橋 俊夫 (信州大学医学部第一生理学教室)
VEGF は,リンパ官内皮細胞内のチロシンキナーゼの活性化を介して細胞内ならびに細胞外からのカルシウムを動員することによって細胞内カルシウム上昇を誘起する ことが判明した.また,VEGF は摘出イヌ胸管に対してリンパ管内皮細胞由来の一酸化炭素を産生放出することによって,顕著な拡張反応を誘起することも判明した. [Regular paper pp. 343-355][On PubMed] | [JJP-Online]
視運動及び前庭性眼球運動におけるネコ片葉中間ゾーンのプルキンエ細胞活動
- Purkinje Cell Activity in the Middle Zone of the Cerebellar Flocculus during Optokinetic and Vestibular Eye Movement in Cats
- 小俣 朋浩,北間 敏弘,水越 昭仁1,上野 武彦2,川人 光男3,佐藤 悠 (山梨医科大学 第二生理学・1耳鼻咽喉科学・2脳外科学,3ATR 人間情報通信研究所)
視運動性,前庭性複合眼球運動中の猫小脳片葉中間帯域プルキンエ細胞の発火頻度は視運動眼球運動における眼球加速度,速度,位置係数を使って複合運動から前庭成分を引いた視運動成分によって再構成できた。 [Regular paper pp. 357-370] [On PubMed] | [JJP-Online]
閉ループ条件下における電気刺激を用いた頚動脈洞圧受容器反射伝達特性の同定
- Closed-Loop Identification of Carotid Sinus Baroreflex Transfer Characteristics Using Electrical Stimulation
- 川田 徹,佐藤 隆幸,稲垣 正司,宍戸 稔聡,立脇 禎二,柳谷 雄介,鄭 燦,杉町 勝,砂川 賢二 (国立循環器病センター研究所循環動態機能部)
圧 受容器領域を体循環系から分離しない閉ループ条件下で,大動脈減圧神経の電気刺激及び間欠的高頻度心臓ペーシングによって,頚動脈洞圧受容器反射の末梢弓 及び中枢弓の開ループ伝達特性を推定する方法を開発した. [Regular paper pp. 371-380] [On PubMed] | [JJP-Online]
プロ競輪選手の持久的トレーニングに対する代謝および神経筋の適応—縦断的研究—
- Metabolic and Neuromuscular Adaptations to Endurance Training in Professional Cyclists: A Longitudinal Study
- A. Lucia,J. Hoyos1,J. Pardo2,J.L. Chicharro2 (Dept. de Ciencias Morfologicas y Fisiologia, Univ. Europea de Madrid, Spain,1Associacion Deportiva Banesto, Spain,2Dept. of Enfermeria, Univ. Complutense de Madrid, Spain)
こ の研究の目的はスポーツシーズン中(休止期,競技前期,競技中)における,持久的トレーニングに対する代謝,及び神経筋の応答を調べたものである.自転車 エルゴメータにより疲労困憊するまで負荷をかけ応答をみた.酸素消費量,血中乳酸濃度,pH,重炭酸濃度,呼吸商,表面筋電図を測定した.エリート競技選 手が調整のために持久運動を行うと,循環乳酸量の減少,有酸素代謝の亢進,および,活動筋の運動単位の動員がもたらされる. [Regular paper pp. 381-388] [On PubMed] | [JJP-Online]
ラット大腸クリプト細胞の Ca2+ 依存性 K+ チャネルに対してトロンボキサン A2 による細胞内 Ca2+ 動員は影響を与えない
- Mobilization of Intracellular Ca2+ by Thromboxane A2 Does Not Affect Ca2+-Activated K+ Channels in Rat Colonic Crypt Cells
- 鈴木 智之,酒井 秀紀,五十里 彰,竹口 紀晃 (富山医薬大薬学部薬物生理学)
トロンボキサン A2 の安定アナログの STA2 は,ラット大腸クリプト細胞の細胞内遊離 Ca2+ 濃度 ([Ca2+]i) を上昇させるにも関わらず,基底側膜に存在する Ca2+ 依存性 K+ チャネルを活性化しなかった.一方,カルバコールは,[Ca2+]i を上昇させ,Ca2+ 依存性 K+ チャネルを活性化した. [Short communication pp. 389-393] [On PubMed] | [JJP-Online]