CONTENTS
- EDUCATION - 生理学エデュケーター制度のご案内 (鯉淵典之・中島 昭) P.137~
- OPINION - 心力学的エネルギー学的性質とカルシウムハンドリングタンパク (高木 都) P.140~
- AWARD - 金 鳳柱 (2012年 入澤宏・彩記念若手研究奨励賞) P.149~
- AWARD - 小金澤禎史 (2012年 入澤宏・彩記念若手研究奨励賞) P.149~
- AWARD - 加治屋勝子 (2012年 入澤宏・彩記念若手研究奨励賞) P.149~
- AWARD - 託見 健 (2012年 入澤宏・彩記念JPS 優秀論文賞) P.149~
- AWARD - 下重里江 (2012年 入澤宏・彩記念JPS 優秀論文賞) P.149~
- AWARD - 鈴木裕一 (2012年 入澤宏・彩記念JPS 優秀論文賞) P.149~
- AWARD - 小畑孝二 (2012年 入澤宏・彩記念JPS 心臓・循環論文賞) P.149~
- AWARD - 佐々木真理 (2012年 入澤彩記念女性生理学者奨励賞) P.149~
- AFTERNOON TEA - 生駒葉子 「グリーンイグアナと過ごした日々」 P.159~
- AFTERNOON TEA - 榎本一紀 「神経累ヶ淵(科学と宗教の辺縁をめぐって)」 P.159~
- HELLO PSJ - Choosing Fuel for Cardiac Activity Following P.163~
- HELLO PSJ - A handkerchief with the map of Kagoshima (Hongguang Nie) P.163~
- RECORDS - 第90 回日本生理学会大会のご報告 P.167~
- RECORDS - 第40 回を迎えた自律神経生理研究会 P.167~
- RECORDS - 第1 回選挙管理委員会報告 P.167~
- RECORDS - 利益相反委員会からのお知らせ P.167~
- RECORDS - 研究倫理委員会からの報告 P.167~
- RECORDS - 第1 回教育委員会議事録 P.167~
- RECORDS - 第1 回学術研究委員会議事録 P.167~
- RECORDS - 平成24 年度入澤賞運営委員会報告 P.167~
- RECORDS - 第1 回編集広報委員会議事録 P.167~
- ABSTRACTS - 第59 回中部日本生理学会 P.178~
- ABSTRACTS - 第92回北海道地方会 P.202~
- CALENDAR - 主な研究集会日程 P.209~
- 特集/SYMPOSIA - 重症外傷と免疫・生理学 ―基礎から臨床まで―(S03) P.212~
- 特集/SYMPOSIA - 新規な実験法による種々の細胞運動系の運動機構の最近の進歩(S09) P.212~
- 特集/SYMPOSIA - インビボサイエンスに迫る最新研究(S36) P.212~
- 特集/SYMPOSIA - Translational research へのご招待 ―Neurocardiology における交感神経活動異常の意義―(S46) P.212~
- 特集/SYMPOSIA - 疾患モデル動物を用いた心不全の病態生理研究の最前線(S51) P.212~
- カテゴリーなし - 編集後記 P.219~
- AFTERNOON TEA - 志牟田美佐 「研究を続ける為のママ友の輪とおやじの会」·· P.159~
- SYMPOSIA (Pt.2) - SYMPOSIA WEB 版 vol.75, No.4(Pt 2)
表紙の説明
第90回 日本生理学会大会(東京)
演題番号:3PK-204
演題「腸管狭窄線維化の進行における消化管筋線維芽細胞TRPC4,C6 チャネルの役割」
“Intestinal myofibroblast TRPC4, C6 channels confer fibrogenic potential for human stenosis”
演者:倉原(海)琳, 住吉美保, 井上隆司
所属:福岡大学 医学部 生理学
消化管筋線維芽細胞は病変部の創傷治癒に寄与し,この細胞による組織再構築の際に生じる瘢痕や歪みが腸管狭窄へ繋がる.腸管狭窄に対する内科的治療法は未だ見つかっていない.重要な線維化促進因子であるTGF-β1 は狭窄部位で増加がみられ,筋線維芽細胞の分化・遊走・接着・細胞外マトリックスの構築に重要な役割を担う.本研究では様々な物理化学刺激に応答するTRP チャネルをターゲットとして,消化管筋線維芽細胞内のCa2+が炎症・線維化過程で果たす潜在的な役割について検討を行った.
・ A:TGF-β1(5ng/ml,48hr)線維化刺激による筋線維芽細胞株InMyoFib の形態変化.左図は実体顕微鏡観察写真,右図はanti-α-SMA 抗体(緑)及びDAPI(青)による細胞の免疫染色写真.
・ B:TGF-β1(5ng/ml,24hr)刺激によってTRPC4,C6 の発現が上昇するが,TRPC6 の発現をStealth siRNA 前処理で抑制すると,線維化によるα-SMA の発現増加が見られなくなる.左にWB(*:P<0.05 vs NCsi,n=4),右にα-SMA の免疫染色のデータを示す.
・ C:TGF-β1 刺激を24 時間行った細胞において,受容体刺激+機械刺激(CCh: 1μM,TNP: 500μM)によるCa2+ 流入が大きく増大するが,TRPC6 siRNA 前処理によって有意に抑えられた.Ca2+ イメージングのデータを示す.
・ D:本研究全体の内容の概略.消化管線維芽細胞におけるTRPC チャネルの機能解析は腸管炎症・線維化の増悪や治癒の両方向におけるシグナル伝達経路に繋がり,線維化狭窄治療に用いる新しい薬物のスクリーニングのターゲット分子の一つで