日本生理学雑誌 第72巻 10号

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表紙の説明

第87 回日本生理学会大会(盛岡)
演題番号:1P-K-02
演題:“Evaluation of mefloquine as a gap junction blocker in vascular endothelial cells”
「血管内皮細胞におけるメフロキンのギャップ結合遮断作用」
演者:山本喜通1,2,鈴木光2
所属:1 名古屋市大・看護・生理,2 名古屋市大院・医・細胞生理

コラゲナーゼ処理によりモルモット腸間膜動脈から内皮細胞層のみを単離し,その中の1 個の内皮細胞にパッチ電極を適用してwhole-cell clamp を行った.
A:内皮細胞層は豊富なギャップ結合により互いに連絡した一層の内皮細胞からなり,そのままでは十分な膜電位の制御ができなかった.
B:使用したwhole-cell clamp の条件を示す.
C:マラリアの治療薬であるmefloquine(30 μM)はこの標本のギャップ結合を効果的に遮断し,パッチ電極による膜電位の制御が可能となった.保持電位を-10.4 mV として内皮細胞のアゴニストであるアセチルコリン(ACh,100 nM)を投与すると,外向き電流が観察された.トレースのギャップは明瞭化のためにランプ波による電流を消去した痕跡である.
D:C のa~d で示した時点におけるACh により活性化された電流のI―V 関係を示す.膜電位を+50~-120 mV のランプ波状に変化させ,ACh 投与中に得られた電流とACh洗浄後に得られた電流の差を取ったものである.ACh 投与直後はK+電流(カリブドトキシン感受性)のみが惹起されているが,その後別の電流系(陰イオン電流と考えられる)が徐々に加わっている.