日本生理学雑誌 第72巻 11号

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表紙の説明

第87 回日本生理学会大会一般演題(ポスター)
演題番号:3P-K-07
演題:“A 5-HT4 receptor agonist, mosapride-induced facilitation of the regeneration of enteric
neural reflex pathways after rectal enteric nerve circuit insult”
演者:松吉ひろ子1,國安弘基2,勝井錬太1,川原勲1,高木都1
所属:奈良県立医科大学・1 生理学第二・2 分子病理学
モルモット直腸壁内神経損傷後の5-HT4 受容体を介した神経再生作用
A 切離吻合術後直腸への5-HT4 受容体作動薬(モサプリド(10μM))局所投与の効果(投与2 週間後).吻合部肉芽組織に幹細胞マーカー(p75,DLX2),神経細胞マーカー(NF),細胞増殖マーカー(BrdU),5-HT4 受容体マーカー(SR4)すべてに陽性の神経幹細胞が観察された.また太い矢印で示しているように,新しい神経のネットワークの形成が認められた.
B 直腸切離吻合後2 週間モサプリド(10μM)を局所投与したモルモットの直腸―直腸収縮反射(上段),直腸―内肛門括約筋弛緩反射(下段)の測定結果.直腸―内肛門括約筋弛緩反射の自然回復には8 週間かかるところ,5-HT4 受容体作動薬(モサプリド(10μM))局所投与では2 週間で反射の回復が認められた.
C 切離吻合術後直腸への5-HT4 受容体作動薬(モサプリド(10μM))局所投与の壁内神経再生促進効果(投与2 週間後).吻合部組織を越えて口側から尾側へと繋がった壁内神経回路の形成が認められた.