日本生理学雑誌 第72巻 5号

CONTENTS

表紙の説明

XXXVI International Congress of Physiological Sciences ―IUPS 2009―
第86 回日本生理学会大会(京都)
演題番号:P1AM-13-1
演題:“Taste responsiveness of Type II and III taste bud cells in mouse fungiform papillae”
「マウス茸状乳頭におけるII 型およびIII 型味細胞の応答特性」
演者:吉田竜介1,安尾敏明1,村田芳博1,上瀧将史1,柳川右千夫2,小幡邦彦3,植野洋志4,Sami Damak5,Robert F. Margolskee6,二ノ宮裕三1
所属:1九大院・歯・口腔機能解析,2群馬大・医,3理研,4奈良女子大・生活環境,5ネスレ,6モネル研

味蕾内の細胞は形態的にI~IV 型に分類され,これらのうち,II 型およびIII 型細胞が実際に味物質を受容する細胞であると考えられている.本研究では,II 型細胞のマーカーであるgustducin,III 型細胞のマーカーであるGAD67 を発現する味細胞から味応答を記録し,それらの応答特性について解析した.
A:gustducin 発現味細胞の応答特性.左:gustducin-GFP マウスの茸状乳頭味蕾内のGFP 発現味細胞から応答を記録する様子.中:この細胞における5 基本味刺激(NaCl=0.3M NaCl,Sac=0.02M サッカリン,Qui=0.02M キニーネ,MSG=0.3M グルタミン酸ナトリウム,HCl=0.01M HCl)に対する応答.この細胞はキニーネにのみ応答を示した.刺激期間はカラーで示す.右:48 個のgustducin 発現味細胞の5 基本味に対する応答プロファイル.Gustducin 発現味細胞は甘味,苦味またはうま味に強く応答した.
B:GAD67 発現味細胞の応答特性.左:GAD67-GFP マウスの茸状乳頭味蕾内のGFP発現味細胞から応答を記録する様子.中:この細胞における5 基本味刺激に対する応答.この細胞はHCl にのみ応答を示した.刺激期間はカラーで示す.右:44 個のGAD67 発現味細胞の5 基本味に対する応答プロファイル.GAD67 発現細胞は様々な電解質刺激に応答するものと酸味特異的に応答するものが存在した.