日本生理学雑誌 第71巻 6号

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表紙の説明

第85 回日本生理学会大会(東京)
演題番号: 2P-F-010
演題: 「中枢シナプスにおけるグルタミン酸放出の素量解析」
“Quantal analysis of glutamate release at single central synapses”
演者: 坂本寛和, 並木繁行, 飯沼将, 廣瀬健造
所属: 名古屋大院, 医, 細胞生理
A: グルタミン酸放出に伴う蛍光性グルタミン酸センサー (EOS) の蛍光強度変化.培養海馬神経細胞に EOS を負荷し, 活動電位に伴って放出されるグルタミン酸を可視化した. 蛍光強度変化の大きさがグルタミン酸の放出量を反映し, 各ピークは単一シナプスにおけるレスポンスに由来する. 細胞外液のカルシウムイオン濃度を上昇させると, グルタミン酸の放出量が単一シナプスレベルで増加した.
B: 単一シナプスレベルでのグルタミン酸放出確率とグルタミン酸放出量の関係. (上) 同時に複数のシナプス小胞を放出するシナプスの模式図を示す. (下) 50 個のシナプスで解析を行った結果, グルタミン酸の放出確率が増加すると, グルタミン酸の放出量も増加することが明らかとなった. さらに放出確率と放出量の関係は複数の放出部位を持たせた二項分布モデルによく適合した (赤線: Poisson limit). このことは単一シナプスが同時に複数のシナプス小胞を放出し得ることを示している.