日本生理学雑誌 第71巻 7・8号

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表紙の説明

第85 回日本生理学会大会(東京)
演題番号: 3P-G-163
演題: 「MRI 解析からみた細胞内水の分類と組織・細胞機能」
“Water classification by MRI analysis and histological and cellular physiological feature”
演者: 木村雅子1, 竹森重1, 田中宏2, 浅井竜一3, 米山正巳3, 井上祐二3
所属:1 慈恵医大・分子生理, 新柴又クリニック, 3 御茶ノ水駿河台クリニック画像診断センター
組織の水状態は均一でない. 骨格筋組織水は1H 核磁気共鳴信号の横緩和経過の違いから複数成分に大別され,各成分はその特徴的緩和経過を保ちながら筋細胞内の構造と密接に関わりつつ存在する (2005,Kimura et al). 骨格筋の規則的階層構造を利用して得られた組織水への理解を,体内のあらゆる組織水の理解に拡げて組織の中に生命を育む水の姿を明かにしたい. 核磁気共鳴信号を画像化するMRI によって医療現場で蓄積された膨大な組織水情報を利用する試みを提示した. 組織・細胞内での水の姿がわかると,医療の世界に新しい手法を提供できる.
A. 大殿筋, B. 脳梁のMR 画像. C. D.はそれぞれ大殿筋と脳梁の横緩和経過の解析結果. それぞれの組織水は2,3 成分に分解される.