日本生理学雑誌 第71巻 4号

CONTENTS

表紙の説明

第85 回日本生理学会大会(東京)
演題番号: 1P-F-044
演題: 「トランスポゾンランダム挿入法を用いた蛍光性RyR1 チャネルの作製」
“Generation of fluorescent RyR1 channels by transposon-based random insertion”
演者: 村山尚1, 樫山拓1, 呉林なごみ1, 小林琢也1, 小山田英人2, 小口勝司2, 櫻井隆1
所属: 1 順天堂大・医・薬理, 2 昭和大・医・薬理

骨格筋の興奮収縮連関ではT 管膜の脱分極がジヒドロピリジン受容体 (DHPR) を活性化し, 筋小胞体 (SR) の1 型リアノジン受容体(RyR1)/Ca2+チャネルを開口してCa2+遊離が起こる. しかし,RyR1 チャネルの開口メカニズムについてはいまだ不明である. in vivoでチャネル活性を直接モニターすることが出来れば, 制御機構の本質に迫ることができる. 本研究では RyR1 チャネル活性を蛍光でモニターすることを目的として, 緑色蛍光タンパク質 (GFP) のRyR1 への導入をおこなった. トランスポゾンランダム挿入法により, RyR1 のさまざまな部位へのGFP の挿入に成功した. これらのクローンの中からチャネル活性をモニターするクローンが得られることが期待される.
図の説明: A. 骨格筋興奮収縮連関のモデル図. B. RyR1一次構造上のGFP 挿入部位. 26 種類のクローンが得られた. C. GFP 挿入RyR1 の培養細胞への発現. 蛍光は小胞体へ局在した. D. カフェイン誘発性Ca2+遊離によるRyR1 チャネル活性の評価.