CONTENTS
- AFTERNOON TEA - 岡村康司 「スポーツでの光と陰~学術活動との対比~」 P.36~
- OPINION - 膜,cyclic AMP,Ca2+に魅せられて ―私のアミラーゼ分泌研究メモから (吉村啓一) P.24~
- OPINION - 生理学ものがたり 9 「膵β 細胞の代謝状態とインスリン分泌」 (北里宏) 24 膜,cyclic AMP,Ca2+に魅せられて ―私のアミラーゼ分泌研究メモから (吉村啓一) P.6~
- HELLO PSJ - UCLA 留学記 (繁冨英治) P.3~
- VISION - 生理学と脳科学―「統合生物学」から「統合生理学」へ (岡田泰伸) P.1~
- AFTERNOON TEA - 鎌谷大樹 「合気道と研究」 P.36~
- AFTERNOON TEA - 任書晃 「“やってみれば,ええやん?”: 私が研究を始めて一番嬉しかった言葉」 P.36~
- INFORMATION - 2009 年度第4 回「ロレアル―ユネスコ女性科学者日本奨励賞」 募集のお知らせ P.41~
- INFORMATION - 2008 年度第3 回「ロレアル―ユネスコ女性科学者日本奨励賞」 受賞者確定 P.42~
- INFORMATION - 平成21 年度全かま連助成対象研究募集のお知らせ P.43~
- RECORDS - 我が国の神経生理学の黎明期 (大村 裕) P.44~
- CALENDAR - 主な研究集会日程 P.50~
- ABSTRACTS - 第41 回日本生理学会東北生理談話会抄録 P.51~
- MOURNING - 辻岡克彦先生のご逝去を悼んで (梶谷文彦) P.55~
表紙の説明
第85 回日本生理学会大会(東京)
演題番号: 3P-F-010
演題: 「カルシウムおよび膜電位シグナル測定による心筋細胞の興奮収縮連関異常と伝導異常の検出」
“Discrimination of Abnormal E-C Coupling from Abnormal Excitability in Multicellular Cardiac Preparation by Optical Imaging”
演者: 呉林なごみ1, 鈴木剛1, 2, 西澤寛人1, 2, 中里祐二2, 塩谷孝夫3
所属: 順天堂大・医・1 薬理, 2 循環器内科, 3 佐賀大・医
Ca2+過負荷心筋では, Ca2+トランジエントの異常 (Ca2+交代現象, 100 ミリ秒近くにもなるCa2+トランジエント発生遅延, Ca2+トランジエント欠落など) (図A) がしばしば見られるが, その原因が興奮収縮連関にあるのか, 活動電位発生にあるかはよく分からない. この点を調べるため, 同一の多細胞心室筋標本における細胞個々のCa2+と膜電位シグナルを, Rhod-2 とDi-4-ANEPPS を用いて, 光学的に測定した. その結果, Ca2+過負荷心筋におけるCa2+トランジエント異常の原因には, (1)興奮収縮連関の異常による時と, (2)活動電位の発生遅延や欠落による場合があることがわかった. また,100 ミリ秒近くにもなる活動電位の発生遅延は, ギャップジャンクションを通って流入する電流量の減少によって説明された. 図の説明A-a: Ca2+過負荷心筋の像. b,c: 隣接する2 つの細胞におけるCa2+シグナルのラインスキャンイメージ (Am J Physiol Cell Physiol 294:C1419,2008 より改変) B. 異常な興奮収縮連関の例. この場合, 隣接する2 つの細胞で,活動電位は毎刺激ごとに発生するのに対しCa2+トランジエントは交互に発生していた.