日本生理学雑誌 第69巻 4号

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表紙の説明

第83回日本生理学会大会(前橋)
演題番号: 1P1-061
演題: 「カルモジュリン依存性キナーゼ㈵㈵を介した血管受容体作動性Ca2+チヤネルTRPC6の活性化制御に関与するアミン酸残基の探索」
演者: 高橋眞一1,下司直美1・2,森 泰生3,伊東祐之2,井上隆司1
所属: 1福岡大医学部生理,2九州大院・医・生体情報薬理,3京都大院・工・生物化学

血管の緊張度は,交感神経を始めとする神経因子,アンギオテンシンII,バゾプレッシン等で代表される液性因子,そして血管内庄上昇などの機械刺激によって惹起される内因的な反射性収縮機序(筋原性反応)によってダイナミックな制御を受けている(左図).最近,これらの三つの異なる制御系が収束する共通の分子として,血管平滑筋膜に存在するCa2+流入チヤネルTRPC6蛋白質を介した情報伝達が重要な役割を果たしていることが明らかになってきた.更に,TRPC6の活性化・不活性化過程はCa2+依存性キナーゼII(CaMKII)や蛋白質キナーゼC(PKC)によるリン酸化によってそれぞれ正・負の効果的な制御を受けており,前者には487番目のトレオニンのリン酸化が密接に関与していることが明らかとなってきた(右図).