日本生理学雑誌 第68巻 9号

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第83回日本生理学大会(前橋)
演題番号:2P1-053
演題:「副嗅球ニューロンとの共培養によって誘導される鋤鼻ニューロンの機能的成熟」
“Functional maturation of vomeronasal neurons induced by the co-culture with accessory olfactory bulb neurons”
演者: 村本和世, 橋本光広, 椛 秀人
所属: 高知大学・医学部・生理学
ラット由来の鋤鼻細胞を培養すると,内腔をもつ球状の細胞塊を形成する(A). この内腔に,希釈した尿(および対照液)を充填した3連のガラス微小電極を挿し,尿中の荷電物質を電気泳動的に注入して,その応答をCa2+蛍光指示薬fluo-4を用いてカルシウムイメージング法で検出した.齧歯類では尿中にフェロモン物質が含有されている.-2μAの電流で希釈尿を注入したところ,培養鋤鼻細胞塊の一部で一過性のCa2+上昇が見られた(B,C,D).-2μAの電流のみを流した対照ではこのようなCa2+の変化は観察されなかった(E,F,G).培養鋤鼻細胞は単独で培養しても,尿に対して応答を示さないが,投射先である副嗅球の細胞と共培養することによってフェロモン受容体の発現が誘導され,このような応答性を獲得するようになる.鋤鼻—副嗅球ニューロン間の相互作用が,鋤鼻ニューロンの成熟に重要であることがわかる.(B,F)内腔中へ電気泳動的に尿の荷電成分を投与した直後の培養鋤鼻細胞塊のfluo-4 蛍光画像.(C,G)B,Fの画像から刺激する直前の画像(応答前)を減算して得られたもので,培養鋤鼻細胞塊中の尿への応答領域を示している.(D, E)BおよびFで○と数字で示された部分(ROI)のCa2+の経時変化.