日本生理学雑誌 第67巻 1号

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表紙の説明

第81回日本生理学会大会 (札幌) 演題番号: 2P 033

演題:「フラビン蛋白蛍光によって捉えたラット体性感覚野切片の活動依存的可塑性」

“Activity-dependent modification of somatosensory neural circuits in rat cerebral slices visualized with fravoprotein autofluorescence.”

Abstract #315: Japanese Journal of Physiology 54 (Suppl) S145 (2004)

演者: 鎌谷大樹, 工藤雅治, 菱田竜一, 渋木克栄

所属: 新潟大・脳研・生理

連絡先: 渋木克栄 shibuki@bri.niigata-u.ac.jp

脳 における青い励起光下の緑色自家蛍光の多くはミトコンドリアのフラビン蛋白に由来し, 活動依存性の変化を示すので脳機能イメージングに応用できる (Shibuki et al., J.Physiol. (Lond.) 549: 919-927, 2003). ここでは一次体性感覚野 (S1) と二次体性感覚野 (S2) を含むラット脳切片を作成し, S1またはS2の一点 (黒点) を20ヘルツで1秒間刺激して, 領野の境界 (点線) をまたぐ活動の伝搬をフラビン蛋白蛍光法で観察した. S1からS2へは境界を越えて興奮が伝播するが (A), S2を刺激した場合は境界で興奮が止まる(B). このような方法を用いることによって, 大脳皮質の各領野間の情報伝達をスライス標本で研究することが可能となる.