CONTENTS
- OPINION - バックグラウンドからフォアフロントへ:細胞生死と· 生体恒常性に関わるセンサーチャネル(後編その3)(岡田泰伸)
- EDUCATION - 第12 回国際医学生生理学クイズ大会2014(IMSPQ 2014)報告 (南沢 享)
- AFTERNOON TEA - 原 雄二、 江口工学、 上田壮志「灯台下暗し」
- CALENDAR - 主な研究集会日程
- 特集/SYMPOSIA - 消化管免疫―機能連関の病態生理(S31)
- 特集/SYMPOSIA - 感覚と自律機能の調節機構:橋結合腕傍核の機能と役割(S36)
- ABSTRACTS - 第65 回西日本生理学会
- ABSTRACTS - 第46 回東北生理談話会
- 望月政司先生のご逝去を悼んで(小山富康)
- SYMPOSIA (Pt.2) - 感覚と自律機能の調節機構:橋結合腕傍核の機能と役割(S36)
- ABSTRACTS (Pt.2) - 第65 回西日本生理学会
- ABSTRACTS (Pt.2) - 第46 回東北生理談話会
表紙の説明
第91 回日本生理学会大会
演題番号:2P-147
演題名:副腎髄質細胞におけるTRPC チャネルの発現分布およびその役割の解明 Distribution of TRPC channels expression and their role in catecholamine secretion of adrenal medullary cells
演者:原田景太,松岡秀忠,井上真澄 所属:産業医科大学・医学部・第2 生理学教室
モルモット副腎髄質細胞において,ムスカリン受容体を介したカテコールアミン分泌の 刺激伝達にラット副腎髄質細胞と同様のTASK1 チャネルの阻害とは別に非選択制陽イオ ンチャネルの活性化も関わっていることを見出し,その非選択制陽イオンチャネルが TRPC チャネルである事を以前報告した.今回我々は免疫細胞染色法によりモルモット副 腎髄質細胞に発現するTRPC チャネルのアイソフォームを同定した.また,ムスカリン刺 激によるそれらアイソフォームの局在変化および複合体形成の有無も調べた. モルモット副腎髄質細胞にはTRPC1,4,5 チャネルが選択的に発現し,ムスカリン非 存在下では1,4 は主に細胞質にその発現が観測されたが,ムスカリン存在下では局在の一 部は膜付近でも見られた(図A).Proximal Ligation Assay(PLA)法を用いTRPC1/4 複 合体の形成を調べたところ,ムスカリンの有無によりPLA 反応の総量は変化しないがム スカリン存在下では非存在下に比べ細胞膜近辺での反応が増加した(図B).ラット副腎髄 質細胞由来の褐色細胞腫であるPC12 を用いモルモット副腎髄質で観測されたTRPC1 と TRPC4 の複合体形成の再現を試みたところ,複合体形成にはSTIM1 分子の存在が必要だ ということがわかった(図C).
A:モルモット副腎髄質細胞におけるTRPC1,4 チャネルの発現分布.細胞膜のマーカー としてNa ポンプa1 サブユニットを染色した(緑).上のパネルはTRPC1 チャネル(赤), 下のパネルはTRPC4(赤).左はムスカリン非存在下,右は存在下における局在.
B:PLA 法によるモルモット副腎髄質細胞内におけるTRPC1/4 複合体形成の観測.
C:PC12 細胞にTRPC1-GFP およびTRPC4-GFP を強制発現させ,PLA 法によるTRPC1/4 複合体形成を観測した.上のパネルはSTIM1-myc を強制発現させないでPLA を行ったも の,下はSTIM1-myc を強制発現させ実験を行ったもの.
利益相反の有無:なし