第8回入澤彩記念女性生理学者奨励賞(入澤彩賞)学会賞
持田 澄子(東京医科大学・細胞生理学講座)
「神経活動依存性ミリ秒Ca 2+ 動態に制御される神経伝達物質放出効率」
第8回入澤彩賞選考の報告
入澤彩賞選考に関する業務をWPJ(生理学女性研究者の会)は生理学会より委託
されていますが、実際の選考は選考委員(男女両性により構成)が行います
。WPJとしては選考の公平性を保つため、選考過程をできるだけ公開したいと
考えております。以下に、第8回入澤彩賞の選考がどのように行われたかをご
報告いたします。
- 選考委員の選出
選考委員の選出において注意した点は①年齢層が偏らない②応募者のそれぞれ
の研究分野に比較的近い研究者③応募者と師弟関係や共著者などの関係がない
研究者です。 これらに注意し、研究者5名(男性3名、女性2名:WPJ会員1名
、WPJ非会員4名)に選考委員を依頼しました。選考委員決定後、応募者から提
出された申請書等一式を選考委員に郵送し、選考をお願いしました。 - 選考委員会による選考の流れ
選考委員会では次の手順で厳正な選考が行われました。選考委員長からの報告
は以下のとおりです。
<選考委員長よりの報告>
選考委員長は委員の互選により決定しました。
今回の選考基準についてはこれまでの基準を概ね踏襲しつつ、本年は「特にリ
ーダーシップを評価する」と募集要項に挙げられていることを鑑み、2つの評
価項目につきまして以下のように計算し、同点であった場合は、項目2の点数
が高い方を1位とする、といたしました。
項目1)優れた研究を行った者
個別項目(a)から(d)につき、1位5点、2位4点、3位3点、4位2点、5位
1点、6位を0点と点数をつけ、それを合計する。
(a) 主体性・リーダーシップ(筆頭著者・責任著者としての論文発表回数
を評価)
(b) 独創性ある研究(視点・発想、技術・方法、専門分野へのインパクト
を評価)
(c) 生理学分野における発展性(これまでの研究そのものの将来性に加え
、候補者自身の研究に対する将来のビジョンを評価)
(d) 研究の継続性・一貫性
項目2)多面的な活動に積極的に関わっていること
下記例に含まれる過去3年間の活動を総合的に評価して相対順位を決定し、1
位30点、2位24点、3位18点、4位12点、5位6点、6位を0点とす
る。(30点満点):
多面的な活動の例として挙げられているもの
・学内(組織内)の各種委員(ダイバーシティ(男女共同参画)関連委員、ハラスメント委員、メンター委員など)
・学会シンポジウム企画
・研究会等の企画、運営
・小中高等学校等での授業、科学に関連した催しもの
・サイエンスカフェ等の企画
・学内外での講演活動
・サイエンススクールでの講義
・研究所・大学等一般公開での催しもの
共著者や指導者などの関係がある候補の評価は辞退する。以上の評点をメール
にて委員長宛に連絡、委員長にて集計。6名の応募者の中から、集計の結果、
最高得点を得た1名を受賞者に決定しました。
3. 受賞者の決定
選考委員長より選考結果が報告され、WPJ運営委員会はそれを承認し、受賞者
が決定されました。以上が第8回入澤彩賞決定までの経緯です。選考委員およ
び入澤彩賞に応募してくださった方々、その他関係者の方々に心よりお礼申し
上げます。
H29年度WPJ運営委員長 藤山理恵