事業の趣旨
日本では2012年度から2016年度にかけて「プラズマ医療科学の創成」と題した新学術領域が設けられ、プラズマバイオロジー研究分野は萌芽期から発展期へと進みましたが、低温プラズマと生体の構成要素との相互関係を検討した基礎的研究が十分に行われておらず、未だ応用面でのめざましい進展が見られていないのが現状です。日本におけるプラズマバイオロジーのさらなる普及・推進を目指して名古屋大学と九州大学、自然科学研究機構が共同して設立したプラズマバイオコンソーシアムでは、参画機関においてがん細胞の選択的細胞死誘導や創傷治癒促進などの医療面での研究や、植物の成長促進や機能性植物の創成などの農業面での研究で、世界を先導する研究活動を推進しています。さらなるプラズマバイオロジーの裾野拡大を目的とし、低温プラズマ技術を生命科学や医療に積極的に応用・活用する「応用研究」だけでなく、それらの基礎学理を追求する「基礎研究」のプロジェクト提案を公募します。
公募の内容
プログラム
共同研究
新たな分野融合的発想に基づく低温プラズマの生体効果に関する基礎学理を追求する挑戦的な萌芽研究及び応用研究。プラズマ照射で発生し生体に効果を与える分子種の同定、活性分子種の標的分子の同定、生体効果の分子・細胞メカニズムの解明及び生物系に適した安定したプラズマ発生装置の開発及び照射の至適条件の検討等の研究推進を期待します。
研究会
新たな分野融合的発想に基づく低温プラズマと生体の相互関係で見られる現象の基礎学理を追求するための研究会です。
研究実施体制
研究代表者は、プロジェクト全体に係る責任を有するとともに、研究費の執行における責任を担う者とします。
採択後、自然科学研究機構と研究代表者の所属する研究機関との間で委託研究契約(自然科学研究機構に属する研究機関を除く。)を締結し、研究代表者と所属研究機関の責任のもとで共同研究及び研究会を実施していただきます。申請に当たっては、本プロジェクトの趣旨を十分に理解いただいた上で研究計画を立てて下さい。
共同研究
本プロジェクトに応募する研究代表者と研究に協力する連携研究者で研究を実施するものとします。プラズマ発生装置を扱う理工学系研究者と動物・植物の扱いに慣れた生命科学系研究者の連携による研究の推進が期待されます。
研究会
新たな分野融合的発想に基づく光技術の適用法や新技術開発につながる先駆的・挑戦的な萌芽研究を探索するための研究会。
プロジェクト研究期間
採択通知日~2020年3月31日
(なお、次年度以降に同テーマの申請も可能です。)
応募資格
プロジェクト経費の執行・管理を行うことが可能な研究機関に所属する研究者。
金額
共同研究 1件 200万円を上限とする。
研究会 1件 50万円を上限とする。
採択予定数
若干数