CONTENTS
- VISION - 学生と動物実験 (泰羅雅登) P.253~
- AFTERNOON TEA - 木村晃久 P.256~
- AFTERNOON TEA - 石松秀 「Never Lost」 P.257~
- AFTERNOON TEA - 廣野守俊 「蛙」 P.257~
- INFORMATION - 公益信託時実利彦記念賞平成21 年度申請者の募集について P.260~
- INFORMATION - 千里ライフサイエンスセミナー 免疫・感染症シリーズ第2 回「新興・再興感染症のトピックス」 P.260~
- INFORMATION - 千里ライフサイエンスセミナー 「幹細胞と多能性」 P.260~
- INFORMATION - 第242 回生理学東京談話会のご案内 P.263~
- INFORMATION - 群馬大学大学院医学系研究科・神経生理学分野 助教の募集 P.264~
- CALENDAR - 主な研究集会日程 P.265~
表紙の説明
第85 回日本生理学会大会(東京)
演題番号:1P-F-002
演題:「カエル生筋におけるCa による細いフィラメントの構造変化」
“Measurement of Ca-induced structural changes of the thin filament in intact frog skeletal muscle”
演者:八木直人,松尾龍人
所属:(財)高輝度光科学研究センター(SPring-8/JASRI)
(A)X 線回折像,白矢印は38.5 nm のトロポニン由来の反射,赤矢印は14.3 nm のミオシンクロスブリッジ由来の反射を示す. (B)電気刺激(時間0)直後の張力変化(16℃).刺激直後には潜時弛緩によって張力はいったん低下する. (C)青はサルコメア長2.6 μm におけるトロポニン反射の強度変化,潜時弛緩とほぼ同時に変化が始まる.赤はサルコメア長3.6 μm の時で,変化はさらに大きい. (D)青はサルコメア長2.6 μm におけるクロスブリッジ反射の変化.潜時弛緩にやや遅れ,張力上昇とともに変化する.赤はサルコメア長3.6μm の時で,太いフィラメントと細いフィラメントの間に重なりがないためアクチンとの相互作用が無く,強度変化が見られない. これらの結果は,トロポニンの構造がカルシウム結合によって変化し,それと同時に潜時弛緩が生じ,その後にミオシンがアクチンと反応して張力が発生する過程を示している.張力発生はトロポニンの構造にも影響を及ぼしている.(Yagi, Biophys. J., 92, 162―171, 2007).