日本生理学雑誌 第70巻 7・8号

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表紙の説明

第84 回日本生理学会大会(大阪)
演題番号: 1PHA-019
演題: 「不動化に伴うラットひらめ筋のカルシウム感受性の変化」
“Disuse-induced changes in Ca2+sensitivity of force in rat soleus muscle”
演者: 宇高潤1,大森伸太郎2,照井貴子1,山口眞紀3,石渡信一2,大槻磐男1,福田紀男1,栗原敏1
所属: 1 東京慈恵会医科大学・細胞生理学講座,2 早稲田大学・理工学部・物理学科,3 東京慈恵会医科大学・分子生理学講座
不動化に伴うラットひらめ筋の高次構造の変化について検討したところ,電子顕微鏡による観察から,サルコメア構造の乱れが明らかとなった(A). 特に,A-I junction の乱れが著明であり,これはA 帯を構成する太いフィラメントの長さが不均一であることを示唆している.A 帯の平均長は短縮していた(赤矢印). また,筋標本の格子間隔をX 線小角散乱法にて測定したところ(B),萎縮群は対照群と比べ格子間隔(1,0 間隔)が約3 nm 拡大していた. 2%(w/v)の高分子デキストラン(Dx:分子量,約500,000)によって,萎縮筋の格子間隔はコントロール筋とほぼ同程度になった.
Reproduced from The Journal of General Physiology, 2008, 131 : 33―41. Copyright 2008 The
Rockefeller University Press