日本生理学雑誌 第70巻 1号

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表紙の説明

第84 回日本生理学会大会(大阪)
演題番号:2PIA-008
演題:「ラット空中立ち直り反射に対する中脳内側部破壊の影響」
“Effects of the midbrain lesion on the air righting reflex in rats”
演者:沖藤和賢,閻新萍,小島圭,山口峻司
所属:山形大学・院・理工・生体センシング機能工学
中脳吻側部で除脳した中脳動物では視覚誘導性を除くすべての立ち直り反射が引き起こされる.空中立直り反射も例外ではない.しかし,中脳のどの部位が重要なのか不明である.そこで,ラット中脳に部分的破壊を加え,空中立ち直り反射への影響を調べた.中脳の部分破壊は,中脳を覆う大脳皮質を吸引除去した後,中脳被蓋の電気破壊を行った.術後1~3日,ラットを1.5m の高さから落下させ,落下中の動作をビデオカメラで撮影した.衝撃を和らげるため,着地地点にはクッションをおいた(図A).対照群(シャム手術)の空中立ち直り反射を図B 左に示す.それに対して上丘腹側中脳被蓋を電気破壊すると空中立ち直り反射が消失した(図B 右).空中立ち直り反射に重要な部位は上丘腹側中脳被蓋に存在することがわかった.