日本生理学雑誌 第69巻 1号

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表紙の説明

第83回目本生理学会大会(前橋)
演題番号: 3P1−016
演題:「Qdot蛍光粒子を用いたGLUT4分子動態の脂肪細胞内イメージング」
“Live cell tracking of GLUT4 molecule in 3T3Ll adipocyte using Qdot nano−crystals”
演者: 藤田英明, 渡邊朋信, 根建 拓, 樋口秀男, 神崎 展
所属: 東北大学・先進医工学研究機構

「脂肪細胞中におけるGLUT4分子の動き」
A: mycタグを付与したGLUT4分子を発現した3T3Ll細胞のGLUT4分子をmyc抗体を介してQdotで染色し,インスリン刺激15分後の動きを共焦点顕微鏡により観察した.
B: GLUT4分子の動きの例.核付近のGLUT4分子(赤)はあまり動かず,分子は貯蔵コンパートメントに束縛されているものと考えられる.それ以外の分子(青)は動さが激しい.
C: 貯蔵コンパートメント内に束縛されていると思われる分子とそれ以外の分子では拡散係数が12倍程度大きくなっている.
D~F: 以上の結果から考えられるインスリン作用のメカニズム.インスリン非存在下では,ほとんどのGLUT4分子が貯蔵コンパートメントに束縛されているが(D),インスリン刺激後はGLUT4分子は束縛から解放され(E),膜へ衝突しエキソサイトーシスされる確率が増加する(F).