日本生理学雑誌 第67巻 7,8号

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表紙の説明

第81回日本生理学会大会(札幌)演題番号:1P076

演題:「カルシウムシグナルによる神経細胞内ミトコンドリアの分裂と形態調節」
演者:陸 雲飛1,松下正之1,李 順愛2,富澤一仁1,竹居孝二2,松井秀樹1
所属:岡山大学・大学院医歯学総合研究科・細胞生理学1・生化学2

High−K+により神経細胞を脱分極刺激するとカルシウムシグナルが駆動され,その結果ミトコンドリアの活発な分裂と形態変化が起こる.この変化は神経細胞の生存とも密接に相関している事が明らかとなった.

A: 無刺激条件下におけるラット海馬初代培養神経細胞のミトコンドリアの電顆写真.ミトコンドリア(矢印)は細長い形態をしている.
B: High−K+(45mM, 15min)刺激後の分裂したミトコンドリア.ミトコンドリアの長径が短くなり,多数の分裂したミトコンドリアが集団状になっている.マトリックスの密度はうすくなり,クリステが見えにくい.
C: High−K+刺激により誘導された分裂完了直前の写真.矢印は細くなって切断される直前のミトコンドリアの二重膜を示す.
D: 図Bの点線枠内の部分の高倍率写真.
Bars: 1 µm (A and B), 400 nm (C and D).