CONTENTS
- PROFILE - 新里直美
- AWARD - 新里直美 (2014 年度 細胞と分子生理/上皮膜研究グループ· JPS 優秀論文賞 受賞)
- EDUCATION - 今,研究室で実験をしている学生の皆さんへ ~自分の研究の限界を書いてみる~(小林直人)
- 若手の広場 - 若手の会シンポジウム「解剖学からみた脳の機能,生理学からみた脳の構造」について(和田 真)
- AFTERNOON TEA - 橋本弘史、兎田幸司「Hello PSJ」、田代倫子「Afternoon Tea の編集を担当して思う仲間の輪」
- CALENDAR - 主な研究集会日程
- BOOK REVIEW - 笠松卓爾著 『脳研究のよろこび』のご紹介(佐藤宏道)
表紙の説明
〈表紙の図〉
第92 回日本生理学会大会
演題番号:P3-286
演題名:睡眠時大脳皮質自発活動の2 光子イメージング
Spatio-temporal dynamics of calcium activity in the cortex of naturally sleeping and awake mice
演者:石井 亮1,辻野なつ子1,上田壮志1,柳沢正史1,2
所属:1 筑波大学・国際統合睡眠医科学研究機構(WPI-IIIS),2 テキサス大学サウスウェス タン医学センター
睡眠は脳において不可欠かつ不可避な生理現象であり,睡眠の不足は睡眠でしか補えな い.その代替不可能な重要性にも関わらず,睡眠に関わる多くの問題はなおざりにされて いる.睡眠とはそもそも脳のどのような状態なのだろうか.睡眠の詳細な実態に迫るべく, 我々は睡眠によって最も顕著な影響を受ける大脳皮質に着目し,その睡眠に伴う自発活動 の変化を2 光子励起イメージング法により光学計測した.
A.拘束ストレスの睡眠への影響の大きさと睡眠の自発性を考慮し,トラックボール型ト レッドミルシステムを採用した.これによりマウスの大脳皮質を無麻酔かつ頭部以外非拘 束下で観察した.
B.イメージングと同時に微小電極による脳波・筋電図記録を行い,覚醒とノンレム睡眠 さらにレム睡眠の判定を行った.各々上段が脳波,下段が筋電図.馴化によりマウスは顕 微鏡下でも自然な睡眠を示した.
C.蛍光分子tdTomato の2 光子イメージング.GABA 作動性ニューロン特異的にtdTomato を発現する遺伝子改変マウスを作製し,in vivo においてニューロンタイプの同定を 可能にした.
D.Ca2+感受性蛍光プローブGCaMP をアデノ随伴ウイルスベクターによってニューロン に発現させ,覚醒及び睡眠中の大脳皮質における自発的なCa2+活動のライブイメージング を行った.
E.D の視野におけるCa2+動態の経時的計測.蛍光強度の変化が神経活動を反映する.
本研究において利益相反に関わる事項はありません.