「アドバイザー制」についてのご案内

生理学会男女共同参画推進委員会では、キャリア形成や研究を続ける上での悩みに対し、会員のアドバイザーが助言する「アドバイザー制度」を設立しました。これは、相談者に対して助言を与え、成長を見守る「メンター」 (注) システムを参考とし、特に周辺に相談できる人がいない会員(男女問わず)を支援するものです。

先に2004年6月の札幌での生理学会で委員会が行ったアンケートでは、過去に相談できる人を必要とした経験のある人は 49回答中31名(61 %)でした。また、誰に相談したかという問いに対し、28 %(14/50)が「同じ分野の指導的立場の人(含・元の指導教官)」と答え、「直属の上司・指導者」や「同じ所属の同僚・先輩」を上回っていました。これらの数字は、部分的なものとはいえ、相談内容によっては、身近に相談できる人がいない現状を反映しています。また、現にメンター制を導入しているIBMでは、女性が仕事を続けられない原因として、「10年先の自分がみえない、見通しがもてない」が1位だったとのことです。

これらを踏まえ、現在、生理学を目指すあるいは携わっている方々 (特に女性)にとって、大学院への進学や学位取得後の就職・留学についての不安、子育てや介護など女性に多くかかる負担と研究との両立への切実な問題に対し、経験者からの具体的なアドバイスがあれば、研究の継続とより良いキャリア形成への後押しとなることが期待されます。

一方、「仮にアドバイザー制ができたときなにを相談したいか?」に対しては、「研究と教育の両立」「任期制ポジション」「外国留学」など、男女を問わない項目も上位に挙げられました。そこで、本システムでは対象を全学会員とし、広く相談を受け付けることにしました。

システム

1.対象

すべての生理学会員、学生会員を含みます。 ( 年齢・性別不問 )

2.受付

相談は電子 メールで受け付け ます。相談したい内容を窓口委員宛(※下記アドレス参照)まで送信してください。その際、助言を求めたいアドバイザーを 2名まで希望することができます。ただし、アドバイザーの長期出張など相談を受けられない場合は、窓口委員がその旨返答し、対応を検討します。

特に指定がない場合は、窓口委員が中心となり、アドバイザー間で調整します。

アドバイザーは、 窓口委員を介して、電子メールで返答します 。また、助言は、通常一件の相談について数回のやり取りで終了するものとします。

電子メールを使えない状況にある場合、何らかの手段で窓口委員に連絡すれば、通信手段を相談します。また、原則として匿名での相談は受け付けません。

3.相談・助言に応じる内容

大学院への進学について /学位取得後の進路/任期制ポジション/外国留学/研究と教育の関わり・両立/基礎研究と臨床の関わり/生活(子育てなど)と研究の両立/キャリアアップについて/成果発表に関すること/研究費取得について など。

セクシュアルハラスメントなど、双方の言い分を聞く必要がある内容については、アドバイザーでは状況把握が難しいので、所属のセクハラ防止委員会などに相談されることをお勧めします。

具体的な就職の世話や論文添削など、本委員会のアドバイザーの立場を超える活動はできません。

4.秘密の厳守

アドバイザーは、相談者のプライバシーを尊重し、相談で知りえた秘密は厳守します。

5.アドバイザー

2005年度は次の11名です。(五十音順、※は窓口委員 )

  • 小田 – 望月紀子  (立命館大学)(※) odan@se.ritsumei.ac.jp
  • 金子章道 ( 星城 大学 )
  • 彼末一之  ( 早稲田大学 )
  • 下山恵美  (千葉大学) (※)  shimoyama@faculty.chiba-u.jp
  • 鈴木 裕 一  ( 静岡県立大学 )
  • 高松 研  (東邦大学)
  • 宮坂京子 (東京都 老人総合研究所)
  • 宮崎 俊一  (東京女子医科大学)
  • 水村和枝 ( 名古屋大学 )
  • 持田澄子  ( 東京医科大学 )

(注) メンターとは?

メンタリング( mentoring)とは、知識や経験の豊かな人々(=メンター)が現時点でまだ未熟な人々(メンティ)に対して、キャリアや心理・社会的な側面から継続して行う、キャリア成功を目的とした、一定期間の支援行動を意味します。語源は、ギリシャ神話のオデッセイが息子テレマコスの教育をメントールという男性に任せ、メントールはオデッセイの遠征中から成人に至るまで、テレマコスを教育したという伝説に由来します。この由来に基き、今日では、メンターという言葉は人生経験の豊富な人、支援者、指導者、後見人、助言者、教育者の役割を全て果たす人を包括的に意味する言葉として用いられるようになりました。

もともとの意味のメンターは、制度で導入されたものではありませんが、組織の中でマイノリティは個人的にメンターを見つけにくいという実態があることから、現在、アメリカの多くの企業では、メンター制度を導入し一定の効果をあげています。

相談申し込みフォーマット

(下記の内容を含んでいれば特に様式は問いません。)

生理学会のアドバイザーシステムの利用者であることが分かるように、 subjectには必ず「生理学会アドバイザー制」の文言を入れてください。ない場合、ジャンクメールと判断されることがあります。

送信先アドレス:窓口委員 (小田-望月、もしくは下山) (直接アドバイザーに送信しないで下さい。)

  1. 申込者氏名
  2.  subject   「生理学会アドバイザー制」を入れる
  3. 所属
  4. メールアドレス
  5. 希望するアドバイザー
    A.(第一希望)
    B.(2人目を希望する場合)
    C.特に指定しない
  6. 相談内容 (長さに特に制限は設けません。)

注・窓口委員をアドバイザーとして希望される場合は、もう一方の窓口委員を通してください。