第30回シナプトロジストの会

幹事会議事録
日時: 2006年 3月28日(木)18:40~19:00
会場: 前橋東急イン
世話人:持田 澄子 (東京医科大学)
出席者:小澤瀞司,赤須崇,田中永一郎(東英穂 代理),佐々木和彦,
松井秀樹,鍋倉淳一,平野丈夫,高橋智幸,久場健司,八尾寛
(敬称略、順不同)

報告・協議事項
1)本会の参加者および予算概算について報告した.今回は、神経生物学グループデイナーと合同で、特別招待者としてRoger Nicoll先生とAndrew Matus先生を迎えており、神経生物学グループデイナー参加申込者が10名、シナプトロジストの会参加申込者が63名であったことを報告した.2)平成19年開催予定の「第31回シナプトロジストの会」の世話人として、協議の上、大阪大学 小倉明彦先生にお願いすることとし、内諾を得た.3)シナプトロジストの会としてグループデイナー賞を設けるか否かについて協議し、今後さらに協議していくこととなった.4)幹事長小澤瀞司先生から、次期幹事長として高橋智幸先生が推薦され、次期幹事長に高橋智幸先生が就任された.

懇親会の概要
日 時:2005年 3月28日(火)19:00~21:00
会 場:前橋東急イン(中2階)紅雲
内 容:Dr. Roger NicollとDr. Andrew Matusのスピーチと両博士を囲んでの
ディナー

神経生物学グループデイナーと合同開催された本会に出席した人は,75名を超え,そのうち約4分の1が学生・大学院生であった。小澤瀞司先生からRoger Nicoll博士を、白尾智明先生からAndrew Matus博士を両博士との出会いを交えて紹介していただいた後、両博士からこれまでの研究とこれからの研究についてお話していただいた.Roger Nicoll博士はLong-term-potentiation (LTP)研究に関わる興味深い体験談や研究の進展について語られた後,分子生物学的方法を応用したシナプス前終末・シナプス後細胞の機能解析に加えて,神経回路機能解析の重要性について述べられ,これからのシナプス研究の方向性を示された.Matus博士は,dendritic spine の動きに関する研究におけるcytoskeleton分子や調節分子の発見とその機能解析・シナプス可塑性について述べられた.

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高橋智幸先生による乾杯の後,多くの参加者がNicoll博士とMatus博士を囲んで親睦を深めていた. 特に学生・大学院生にとっては,このような著名な科学者と直接語りあったことは貴重な体験であり,人生の忘れられないひとコマになったであろうと思う.

佐藤誠先生の呼びかけで、20世紀前半のシェリントンの研究室に由来する「シナプトロジスト」という名称をいただいて発足した「シナプトロジストの会」は,今回で第30回となった.幹事会で佐々木和彦先生から配布された資料には,「新しい学問の発展のためには同志の結集がまず必要で,自分たちのやっていることこそ最も大切な研究なんだという事を自他共に認識しあうグループがなければならない」と,発足当時の佐藤先生の思いが綴られていた.今回参加された若手研究者や学生・大学院生は,Nicoll博士やMatus博士と同じ分野の研究をしていることを誇りに思い,研究室に戻って熱い思いで実験を再開するであろうことを確信した.

私事であるが,「シナプトロジストの会は,preがpostを包み込むシナプスのように,人と人との繋がりを育む会でありたい」と本会の発足を呼びかけられていたように記憶している。鹿児島での第1回シナプトロジストの会で佐藤誠先生が美声を披露してくださったことを思い出し,第30回となった前橋でNicoll博士とMatus博士への感謝の気持ちも込めて,「さくら・さくら」を参加者全員で合唱した.

神経生物学グループデイナーからは、植村慶一先生、小幡邦彦先生、神経生物学グループデイナー世話人の柳川右千夫先生のご挨拶をいただいた.
なお,幹事長小澤瀞司先生と次期幹事長高橋智幸先生の抱負のご挨拶をいただき,小倉明彦先生(大阪大学)に次会世話人をお願いしていることを報告した.閉会予定の時間を過ぎてもNicoll博士とMatus博士囲む輪があった.
今回は,小澤先生のご提案で、外国からの招待後援者をお招きした.初めての試みであったが,出席者の増加につながった要因の一つではないかと推測している。
末尾ではあるが,本会の会計事務を担当していただいた田井忍氏に謝意を表するものである。

(文責 持田澄子)