平成19年度 第2回常任幹事会議事録

日時
平成19年12月1日 午後1-5時

場所
赤門学士会館(東京)

出席者
岡田泰伸、栗原 敏、小西真人、粟生修司、赤池 忠、伊佐 正、亀山正樹、香山雪彦、河原剛一、倉智嘉久、小杉忠誠、白尾智明、鈴木 光、曽我部正博、高木都、高松研、辻岡克彦、徳田雅明、西条寿夫、福田敦夫、松井秀樹、松尾 理、松田哲也、丸中良典、宮下保司、持田澄子、山下勝幸、金子章道、佐久間康夫、宮川尚久、本間生夫

欠席者
明間立雄、今泉和彦、彼末一之、川上順子、篠田義一、渋木克栄、少作隆子、丸山芳夫

報告及び協議事項

1.会長挨拶

岡田会長から出席者に対し日頃の学会運営に対する謝辞が述べられ、本会議の主要案件と目的が述べられ、協力が要請された。

2.庶務報告

岡田会長から、会員数に関して平成18年11月現在で一般会員3166名、特別会員22名、名誉会員10名、準会員98名、賛助会員19名であることが報告された。また2名の評議員の御逝去に対して弔意が述べられた。さらに、1)JPS公開入札を10月に行い、4件の応募があったこと、入札時期を来年から早期化して6月中には決定したいこと、2)IUPS2009への出席/発表を教育単位として認定していただくよう他学会にお願いしていること、3)欠員となったIUPS役員候補として野間昭典氏にお願いし、承諾をいただいたこと、4)財団法人山田科学振興財団の研究援助として高橋琢哉氏、柚崎通介氏の2名を推薦したこと、5)4件の研究集会等への後援・協賛を行ったことが報告された。有限責任中間法人日本生理学会理事会、社員総会議事録を回覧し、承認された。

3.法人化委員会報告

本間委員長から、1)一般社団・財団法人法の施行(平成20年12月)によって、有限責任法人は特別な手続きなしで一般社団法人になる見通しであること、2)同法の施行後、名称に「一般社団法人」という文字を使用する旨の定款変更を行うこと、3)公益社団法人への以降に関しては、公益認定を得るにあたって多くの制約があり、日本生理学会として努力はするが、移行できるかどうかはわからないことが報告された。

4.財務報告

栗原財務幹事から、平成19年度会計(1月1日から11月26日)の中間報告、各種積立金、基金の現状報告が行われた。清水寺よりの寄付金については、IUPS2009のKOJACシンポジウムで使用したいとの説明があった。

5.編集・広報委員会報告

小西編集・広報幹事から、日本生理学雑誌の表紙にIUPS2009の帯をいれ、IUPS2009関連ページを加えたこと、ホームページにIUPS2009関連ページを新設したことが報告された。遅れている英語版ホームページについては、今年度中に立ち上げるとの見通しが述べられた。

6.JPS編集委員会報告

佐久間委員長から、JPS編集・発行状況について報告があった。1)JJP+JPSのインパクトファクタが2006年に1.08となり、回復の兆しが見えてきたこと、2)論文の審査プロセスは順調だが、投稿の増加を図る必要があること、3)編集委員の交代があったこと、4)新たにPhysiome/Systems Biology sectionを新設したことが報告された。インパクトファクタのさらなる向上のためにreviewを順次掲載していく予定であるが、遺伝子組み換え・導入動物を寄託する際や、クローニングした新規遺伝子配列の登録などの際にもJPSを出典として引用するよう、要望された。

7.会員委員会報告

持田委員長から評議員辞退希望者の取り扱いについて検討してほしいとの要望があり、議論した結果、本人から理由を明記した届出書の提出を求め、個々の事例について会員委員会で判断し、最終的には会長が認めることとなった。

8.教育委員会報告

松尾委員長から、1)コアカリキュラムの次回改訂に備えて生理学会としてのコアカリキュラムを準備中であること、2)一歩一歩学ぶ生理学のサーバーを生理学研究所に移すことになり、システムの全面的な変更を予定していること、3)生理学会大会でのモデル講義に4名の方々を予定していること、4)実習ビデオについては、ホームページに掲載できる形での編集は困難と考えられるので現状のまま配布するとの報告があった。また新・生理学実習書は刊行から時間がたち内容が古くなったとの指摘があり、議論した結果、今後教育委員会で改訂を検討することになった。

9.学術・研究委員会

白尾委員長から、1)第85回日本生理学会大会において、シンポジウム「生理学関連における科学研究費の現状と動向」を開催することになったこと、2)日本生理学会と日本解剖学会の学術集会を合同で行うことについて、平成19年7月に懇談会が開催されたことが報告された。常任幹事会への提案として、第85回大会については、travel awardの申し込みが少ないため締め切りを延長すること、一般演題からシンポジウムへの吸い上げをもっと行ってほしいとの要望がだされた。岩手大会については、修士学生を学部学生と同じ扱いにしてほしいとの要望があった。さらに、今後海外からの参加者の事も念頭において参加登録費の支払いにクレジットカードを使用することや、大会運営に次期大会長が加わることも提案された。生理学会と解剖学会の懇談会の内容について、岡田会長から説明があった。懇談会では以下の点について合意が得られた。1)学術集会の合同開催の可能性としては、2011年に東京で医学会総会が開催されることから、東京での合同開催を今後前向きに検討する、2)2008年、2009年については、学術集会全体の協力は困難であるが、連携シンポジウムを継続して成功させることが重要である。

10.研究倫理委員会報告

粟生委員長から、1)動物愛護管理法改正後の取り組みについて文科省によるヒアリングがあり、委員長が参加したこと、2)第85回大会でのシンポジウムでは、ナショナルバイオリソースプロジェクトの紹介をする予定であること、3)生理学実習における適正な対応について、管理法改正後の状況をアンケート調査する予定であることが報告された。また、動物実験に関する連絡協議会について生理学会としても積極的に協力すること、動物実験に関するページを生理学会ホームページの目立つ場所におくことが提案され、承認された

11.将来計画委員会報告

辻岡委員長より、委員会で議論された内容が報告された。学問分野の活性化の上で会員数増加は必要であり、非医学部機関所属の研究者の入会を促進する必要がある。そのためには大会の活性化が不可欠であり、大会のプログラム委員をより多岐に渡る分野から選ぶ案が出された。また活発な地方会に対しては学会がバックアップして公認の学会賞を設置するなどの推進策が提案された。研究倫理規定については、倫理規定とその運用システムの組織化が求められており、今後常任幹事会が中心となり、学会全体で推進していく必要性が指摘された。また動物実験指針にならって研究者倫理指針を作成することが提案され、研究倫理委員会で検討することとなった。学会発表・登録やJPSへの投稿に際して研究者倫理指針やconflict of interestをチェックする機構を今後検討することで合意が得られた。

12.男女共同参画推進委員会報告

高松委員長から、男女共同参画学協会連絡会の活動状況、第85回大会におけるシンポジウムおよび保育室の準備状況が報告された。男女共同参画学協会連絡会の活動としては、1)第5回シンポジウム(名古屋)、2)科学技術系専門職における男女共同参画実態の大規模調査、3)女子高生夏の学校、4)会員・委員会の女性比率調査などを行った。第85回大会におけるシンポジウムについては、「男女共同参画実践の立場からの提言」というテーマで3月26日に開催予定である。生理学各種委員会に対して、できるだけ女性委員の比率を向上させるよう提案がなされた。

13.賞選考委員会報告

篠田委員長に代わって岡田会長から、若手奨励賞には5件の応募があり、現在審査中であるとの報告があった。

14.国際交流委員会報告

大森委員長に代わって岡田会長から、第85回大会での日韓中シンポジウム(KOJACシンポジウム)の準備状況について報告された。「鍼の科学的根拠」というタイトルで開催予定である。

15.フィジオーム・バイオシステムバイオロジー特別推進委員会報告

倉智委員長より、1)第85回大会でフィジオーム・バイオシステムバイオロジーシンポジウムを計画していること、2)JPSに新たにPhysiome/Systems Biology sectionを新設したこと、3)第2回大阪大学臨床医工学融合研究教育センター国際シンポジウムのJPS特集号を刊行予定であること、4)IUPS2009フィジオーム関連プログラムの準備状況、5)今後の分野推進、生体医工学会と生理学会との連携の可能性を探る予定であること、6)研究学術委員会との連携を計画していることが報告された。また委員会のメンバーとして4名の追加候補が提案され、承認された。

16.若手の会運営委員会報告

宮川委員長から、第85回大会での若手企画シンポジウムおよびサイエンスカフェの準備状況が報告された。またIUPS2009で若手の会のシンポジウムを開催するかどうかについて、今後さらに検討することになった。

17.  IUPS2009組織委員会報告

宮下委員長より第13回組織委員会、第8回・第9回幹事会の報告、IUPS2009大会を日本学術会議が共催することが正式に決定したことにより財務的にも学術会議の支援が得られるとの報告があった。大会の成功のために少なくとも3000名の参加と会員からの財政的支援の要請があった。財務委員会を中心として資金集めの努力が本格化し、各企業に対する協賛のお願いを生理学会会員に依頼しており、各生理学会員の積極的な協力が要請された。倉智プログラム委員長からは、12月2日に国内委員会があり、12月5-6日に開催される第2回国際プログラム委員会でSpecial LectureやSymposia 等プログラムの骨格が決まることが報告された。栗原財務委員長からは、財政的には依然として厳しい状況にあり、今後さらに会員が努力する必要があるとの報告があった。

18.国際生理科学連合報告

金子会長から、12月7-8日の理事会ではLong Range Planning CommitteeからのIUPSの今後のあり方に対する答申について検討されること、2009年に役員、理事の改選が行われるので、日本からの候補として野間昭典氏を推薦する旨の報告があった。

19.  FAOPS報告

岡田会長より、1)FAOPSの広報活動、2)パキスタン生理学会主催の第一回SAARCで開催されるBioethics国際シンポジウムへの資金援助を行ったこと、3)中国生理学会主催のBeijing Joint Conferenceを共催する予定であること、4)FAOPSの銀行口座を台北からシドニーに移したことが報告された。常任幹事会には、FAOPS未加盟国の代表的な生理学者を紹介するよう要請された。

20.第85回日本生理学会大会(東京大会)準備状況報告

佐久間大会長より、2008年3月25-27日に新宿京王プラザホテルで開催される東京大会の準備が順調に進んでいることの報告があった。3月24日には常任幹事会およびプレコングレス(筋生理、環境生理)が開催される。演題数は七百数十題である。シンポジウムは、解剖学会との連携シンポジウムを含めて20を予定している。

21.第86回日本生理学会大会(京都大会)準備状況報告

2009年にIUPS2009と同時開催となる第86回大会(京都大会)の準備状況が丸中大会長から報告された。1)Named Lecture、総会、評議員会については、枠が確保されていること、2)常任幹事会は大会とは別に3-4月に行う方向で検討中であること、3)JPS入澤賞、奨励賞については総会で表彰し、受賞者に5分程度のスピーチをお願いすること、4)若手の会、教育、倫理、男女共同参画のシンポジウムは今後検討することが報告された。市民講座についてもIUPS2009との兼ね合いも含めて今後検討することになった。

議題

22.前回の議事録の承認

平成19年第一回常任幹事会議事録および平成19年度評議員会・総会の議事録が承認された。

23.副会長の選出について

岡田会長から、次期編集・広報担当副会長として小西真人氏(留任)、財務担当副会長として川上順子氏(新任)が推薦され、承認された。

24.  2011年大会開催地について

2011年には日本解剖学会と合同で学術集会を開催する予定であることから、医学会総会のある東京を開催地とすることが岡田会長から提案され、承認された。大会長については、次回の常任幹事会までに東京近辺の施設から候補を選定することになった。

25.日本医学会用語委員の選出について

宮崎俊一氏の後任として、柚崎通介氏が推薦され、承認された。

26.  IUPS教育WSのサポートについて

IUPS2009における教育ワークショップに対して、生理学会から100万円程度の支援金を拠出することが提案され、承認された。