平成21年度日本生理学会第1回常任幹事会議事録

日時
平成21年3月28日 午後1-5時
場所
アルカディア市ヶ谷私学会館(東京)
出席者
岡田泰伸、川上順子、小西真人、松山清治、河原剛一、佐々木和彦、丸山芳夫、鯉淵典之、石川義弘、白尾智明、尾仲達史、本間生夫、佐久間康夫、柚崎通介、水村和枝、久保義弘、西条寿夫、大森治紀、高木  都、前田正信、河合康明、松井秀樹、田中潤也、吉村  恵、粟生修司、松田哲也、岡田泰伸、栗原 敏、倉智嘉久、宮下保司、金子章道、松尾  理、篠田 陽
欠席者
彼末一之、岡野栄之、高松  研、曽我部正博、鈴木  光、山下勝幸、亀山正樹、少作隆子

報告及び協議事項

1.会長挨拶

岡田会長から、IUPSの開催に伴う夏の大会となることから、幹事会のために参集いただいたことが述べられ、またIUPS2009へは、多くの演題が集まったことが報告された。

2.庶務報告(岡田会長)

岡田会長から、会員数に関して例年に比較して新入会数がかなり減少していること、通常は、年次大会時の入会が多いことが一因と思われることが報告された。名誉会員の田崎一二先生、評議員入澤彩先生、久野宗先生の御逝去に対して弔意が述べられた。
平成21年度共同利用・共同研究拠点要望書を4施設(京都大学霊長類研究所、岐阜大学人獣感染防御研究センター、浜松医科大学光量子医学研究センターおよび分子イメージング先端研究センター、福井大学高エネルギー研究センターおよび滋賀医科大学MR医学総合研究センター)に関して文部科学省へ生理学会長として提出したことを報告
山田科学振興財団研究助成(6件)の申請にたいし、賞選考委員会で審査中であることを報告。
第21回バイオ・ナノテクシンポジウム、第31回日本膜学会大会、への協賛が報告された。

3.財務報告(川上副会長)

財務幹事から、平成20年度日本生理学会および有限責任中間法人の会計(1月1日から12月31日)の決算報告、各種積立金、基金の現状報告が行われた。続いて明間、石川会計監事より、監査の結果、適正な会計処理が行われていることが報告された。常任幹事により決算案が承認された。
続いて、平成21年度会計の予算案(日本生理学会および一般社団法人)が提出され、承認される。
吉村幹事よりKOJAC基金について質問があり、九州において単独に日韓シンポを開催しているが、この基金があるのであれば、一緒に開催できないかとの提案があった。栗原幹事より、KOJAC基金は清水寺からの寄付であり、IUPSに一部が使われ、残りは今後のKOJACに毎年使用する予定であることを説明。

4.編集・広報委員会報告(小西副会長)

小西編集・広報幹事から、第85回大会の情報を使用したこと、各研究室毎に登録を依頼して結果、メーリングリスト登録が73.5%となったことの報告、IUPSのメールアドレス情報を提供していただけるように依頼したことの報告。宮下大会長より本人の同意が必要であることメーリングリストをどのように利用するのか規則をはっきりさせることを要請。小西幹事より、日本生理学会員のみに限ること日本生理学会からのお知らせに限ることを説明。承認。
小西幹事より英語名簿の立ち上げを検討中であることの説明があった。会長より、第86回大会において英語名簿作成のための協力を丸中会長名で出すことを要請。

5.JPS編集委員会報告(佐久間委員長)

佐久間委員長から、JPS編集・発行状況について報告があった。1. JPSのインパクトファクタが0.902となり、2.0以上を目指して努力する。そのために(1)Supplement の引用を引き続きお願いする (2)レビュー論文を掲載する。2. 佐久間幹事に引き続き編集委員会委員長をお願いすることになった。3. 委員の選出規定はJJPのままで運営されているが、新しい規定の必要性が検討された。

6.選挙管理委員会報告(高松委員長代理岡田会長)

特に報告はないが、来年度は会長選があることを確認。

7.会員委員会報告(吉村委員長)

1)特別会員の推薦について:佐々木和夫先生(生理学研究所名誉教授)の略歴説明および資料回覧が行われ、総会・評議員会への推薦が決定。2)評議委員推薦について:今年度は8名。若林先生は生理学会所属年限が2年と足りないが、地方会主催なども勘案し特別推薦とすることで了解。
3)吉村委員長より、常任幹事の定年制を設けることが提案。定年を65歳とし、若返りを促すことが提案され、選出時に65歳未満であることが承認。ただし、会長、副会長の定年をどのようにするかは、検討事項とし、次回までに会員委員会で決めることとする。

8.教育委員会報告(河合委員長)

河合委員長から生理学実習書改訂にあたり、次の方針の報告があった。全国アンケートを行い、結果を日本医学教育学、ホームページで公開する。実習の対象が人63.7%、カエル20.4%、ラット5.8%、ウサギ2.6%となっており、今後動物(特にかえる)を使用した実習が困難となることが考えられる。実習書の改訂にあたっては、以下のことを考慮する。対象は学生、教員であるが、スタンダードは教員向け学生には読み物本とする実習書には道具、手術手技、データー解析方法を載せる。
“1歩1歩学ぶ医学生理学”のStep 1を監修する。
国際生理学オリンピック(学生対象)を昨年の委員会から検討をしているが、2年目以降に立ち上げることを目指す。

9.IUPS教育WS組織委員会報告(松尾委員長)

松尾委員長から、1)実働できる委員へメンバー交代したことを報告された。2)IUPS2009大会教育ワークショップは神戸市の支援を得られたことが報告された。3)日本人のワークショップへの参加を勧誘していることが説明された。

10.研究倫理委員会報告(粟生委員長)

粟生委員長から、1)生理学会大会における研究倫理チェックについて、資料を検討する。利益相反についての部分を再検討することを委員会へ依頼。2)研究倫理規定は各研究施設で設定されており、生理学会として作る必要はないとの意見が委員会より提出された。これに対して、会長から生理学会としてのガイドは必要ではないかとの質問がで、白尾幹事からも、公式に生理学会の見解を示す必要があると思われるとの意見が出た。会長から生理学会として(不正使用・論文捏造などに関係しての)研究者倫理規定も作成するように委員会へ再要請が出された。

11.将来計画委員会報告(前田委員長)

前田委員長より、「生理学教室の縮小・統合された大学が多くみられ、基礎医学の危機ともとれる状況であり、医学教育面から考えても問題である。」との意見があり、全国の医科大学学長、医学部長、病院長へこの問題を考えていただくように解剖学会と共同でアンケート結果を郵送することを提案がなされ、承認された。
今後、他学会との共同学会開催の推進、他国の生理学会との共同開催について検討していく。

12.男女共同参画推進委員会報告(水村委員長)

水村委員長から、次の報告があった。ハラスメント啓蒙のためにシンポ、講演を計画しているが、倫理委員会と東京大会で合同の活動を計画中である。アドバイザー制度は利用されていない現状ではあるが、ハラスメントの相談なども受けていく予定である。できれば、学会員でない相談員を入れる。
学振の助成条件について働き方の自由化を検討していただくように要請。

13.賞選考委員会報告(大森委員長)

大森委員長から日本生理学会奨励賞に7名の応募があり、大内仁、藤原裕一郎、増木静江の3氏に決定したことが報告された。なお、奨励賞の規定については継続審議中である。

14.学術・研究委員会(白尾委員長)

白尾委員長から科学研究費補助金についての提案があった。科学研究費における筋肉生理学への応募が減少して来ており、どのように将来していくか、検討するように会長より要望があり、生理学一般には応募が多く、筋の研究者も多く、ここに応募することから、生理一般へ筋肉生理を入れることが提案されているとの説明があった。統合科学の項目へ生理学会としても参加していくことを検討する。特定領域枠における、脳、癌、遺伝子の分野がなくなり、時限つきとして残ることになるので、次回からは新細目の提案をしたいとの意見が会長からあった。

15.法人化委員会報告(本間委員長代理岡田会長)

有限責任中間法人から一般社団法人へ変更するのに伴い、定款の見直しを行い、承認された。

16.フィジオーム・システムバイオロジー推進特別委員会報告(倉智委員長)

提案型の新領域に、統合的な生命科学のプランニングを検討することになった旨報告された。

17.若手の会運営委員会(篠田委員長)

篠田委員長から、IUPS2009会期中の若手の会のシンポについて報告。シンポジストの登録費は必要かとの質問がでた。例外はないとの回答であった。

18.IUPS2009組織委員会報告(宮下委員長)

宮下委員長より、演題数は3160となったが事前参加登録がまだ少ないので、できるだけ早期に登録をするように依頼。トラベルグラント選出は順調に進んでいる。
大会の記録としてアーカイブを作成することが提案されており、広報担当幹事(小西幹事)が担当することになる。資金は、生理学会とIUPSの両方で出す。

19.国際生理科学連合報告(金子会長)

金子会長から、7月に行われるGENERAL ASSEMBLYへ出席する代議員5名の選出を会長に依頼。

20.FAOPS報告(岡田会長)

岡田会長より、FAOPSの活動について報告。新規準加盟したウズペキスタン生理学会で再興大会があり、会長が出席。未加盟国の代表的生理学者をしている方に協力を要請。

21.日本医学会用語委員会報告(柚崎委員代理岡田会長)

「-nogen のつく用語の日本語表記を「・・・ノーゲン」と「・・・ノゲン」のどちらに統一するか検討中であること、「奇形」がつく疾患名が、患者さんに対する差別を呼ぶのではないか、という問題について、引き続きて意見を答申した旨報告された。

22.第87回日本生理学会大会(盛岡大会)準備状況報告(佐々木大会長)

佐々木大会長より、準備は順調にすすんでおり、スケジュールを計画中であることが報告された。大会参加登録をホームページからできるように新しい方法を検討中である。

23.第88回日本生理学会大会(東京大会)準備状況報告(栗原幹事)

栗原幹事より慈恵医大・昭和大・東京医大・東邦大の4大学合同で3月28,29,30日開催の予定。解剖学会との共同開催を計画している。

審議事項

平成20年第2回常任幹事会議事録が承認された。