平成22年度日本生理学会第2回常任幹事会議事録

日時
平成22年12月11日 13:30~17:00
場所
損保会館(東京)
出席者
岡田泰伸、 小西真人、川上順子、松山清治、 高井章、佐々木和彦、 八尾寛、御子柴克彦、石川義弘、 矢田俊彦、尾仲達史、佐久間康夫、本間生夫、加藤總夫、柚﨑通介、久保義弘、 福田敦夫、水村和枝、 多久和陽、山本哲朗、前田正信、 丸中良典、大森治紀、 岡村康司、河合康明、 小林誠、田中潤也、小野克重、上田陽一、宇賀貴紀、黒澤美枝子、関野祐子、蔵田潔、少作隆子、佐藤多加之、栗原敏、大橋俊夫
欠席者
鯉淵典之、狩野方伸、吉村恵

報告及び協議事項

1.会長挨拶(岡田会長)

岡田会長から、2010年2月17日、基礎医学系4学会、日本生化学会(北潔会長)・日本生理学会(岡田泰伸会長・理事長)・日本解剖学会(内山安男理事長)・日本薬 理学会(成宮周理事長)の会長・理事長の4名が民主党および文部科学省へ「基 礎医学教育・研究の活性化に対する要望書」を提出した事の報告があった。続いて、入澤賞について報告があり、今後の運営について検討が必要であることが話された。

2.庶務報告(岡田会長)

熊澤孝朗先生、城所良明先生、小坂光男先生、平川千里先生の御逝去に対して弔意が述べられた。
岡田会長から、会員数に関して減少しており、東京大会で増加する事を期待していること話された
次期会長選について、選出規程の一部変更について説明(資料9頁参照)、承認。
入澤 宏、彩先生からの遺贈を基盤とした奨励賞の運営に関して信託へ委託する事を提案、承認。少作幹事から条件がどの程度変わるのかとの質問があり、公益性がより重要視されること、しかしながら、入澤宏・彩先生の御遺志を保持し、継続することには変化がないことを説明。柚崎幹事から賞の運営を信託へ依頼するのであれば、学会を一般社団にする必要がなかったのではとの質問があり、本間幹事から、時期の問題はあったにしても、一般社団への移行は必要とされていたことの返答があった。
事務局の人事について報告があり、事務時間を10:30〜17:00へ変更

3. 財務報告(川上財務幹事)

川上財務幹事から、平成22年度日本生理学会会計(1月1日から10月31日)の上半期の決算報告が行われた。一般社団法人へ移行したことによる会計の一本化が行なわれ、人格なき社団法人から引き継ぎ財産が繰り入れられたこと、収入および、支出に関しては予算と比較して著変がない事が報告された。

4.編集・広報委員会報告(小西編集・広報幹事)

小西編集・広報幹事から、一般社団となり、重要事項の決定に総会員の1/2の合意が必要となったため、メーリングリスト登録の重要性が増したこと、登録をさらに推進することへ協力を要請した。岡田会長からPROFILEに新任教授の紹介に加えて新評議員の紹介も入れたいとの要望があった。 水村幹事から、アンケート調査の時に、メーリングリストへ申請をしたが、返事がないとの会員からの問い合わせがあったが、との質問があり、小西委員長から、現在、事務局機能が低下しており、そのためと思われる事が説明された。

5.研究倫理委員会報告(蔵田委員長)

蔵田委員長から、動物愛護管理法見直し要望書を会長名で提出したこと、日本医学会主催の利益相反シンポに参加したことが報告された。また、大会発表における利益相反の明示が必要となってきていることが説明された。本間幹事から、大会での範囲と考えればよいのかとの質問があり、蔵田委員長から、研究そのものではなく、あくまで大会発表についてであることを説明。佐久間幹事よりJPSでも利益相反についての質問を入れる方向で進んでいる事が報告された。加藤幹事より東京大会の発表は、すでに演題登録時に利益相反の有無を質問に入れ特段の問題なく申告がなされたことが説明された。
利益相反(COI)委員会会員として蔵田委員長、小西日生誌編集委員長、佐久間JPS編集委員長、大会長を選出

6.JPS編集委員会報告(佐久間委員長)

佐久間委員長から、編集委員会構成を再検討し、16名を変更したことが報告された。
科学研究費成果公開普及・学術定期刊行物助成へ今年度も申請をした事を報告。
JPS入澤賞の今年度受賞者が次のように決定したことが報告された。
入澤宏・彩記念JPS 優秀論文賞                         Hirofumi Hashimoto, Hiroki Otsubo, Hiroaki Fujihara, Hitoshi Suzuki, Toyoaki Ohbuchi, Toru Yokoyama, Yoshio Takei and Yoichi Ueta : Centrally administered ghrelin potently inhibits water intake induced by angiotensin II and hypovolemia in rats.
Nobuyuki Tanaka, Hirotaka Ishii, Chengzhu Yin, Makiko Koyama, Yasuo Sakuma and Masakatsu Kato : Voltage-gated Ca2+ channel mRNAs and T-type Ca2+ currents in rat gonadotropin-releasing hormone neurons.
入澤宏・彩記念JPS心臓・循環論文賞                      Toru Kawada, Meihua Li, Atsunori Kamiya, Shuji Shimizu, Kazunori Uemura, Hiromi Yamamoto and Masaru Sugimachi: Open-loop dynamic and static characteristics of the carotid sinus baroreflex in rats with chronic heart failure after myocardial infarction.

7. 選挙管理委員会報告(加藤委員長)

加藤委員長から、次期会長選のための選挙について、オンライン投票の導入の可能性も含めて、説明された。日程としては、かなりタイトであり、すぐにでも準備を始める必要があることが報告された。

8.会員委員会報告(吉村委員長)

岡田会長より、特別会員として高橋國太郎先生を推薦する提案が代理でだされ、推薦者代表として、岡村幹事から紹介および推薦内容が報告され、承認された。
佐久間幹事から、特別会員選考基準にサイエンスへの貢献を加える事が提案され、次回までに検討することとなった。

9.教育委員会報告(河合委員長)

岡田会長から、資料の名簿の誤りを訂正(前田正信先生を削除して、松尾理先生を追加)。
河合委員長から、明日第3回の会議を予定していること、また、日生誌の「教育のページ」は72巻から活動報告を掲載予定であることが報告された。

10.学術・研究委員会(久保委員長)

久保委員長から、JSPSへH25科研費「系・分野・分科・細目表」に提案を行い、「時限付き分科細目」の新分野候補として“生体運動学”を提案したことが報告された。日本学術会議「大型施設計画・大規模研究計画」に関して機能医科学分科会に生理学会からの意見・提案を提出した。今回は個別の研究プロジェクトについての提案はせず、提案をされる組織と内容が生理学会活動に一致するものであれば、学会として推薦を出すことにした。
幹事会への提案として大会シンポでの使用言語について、大橋第89回大会長から、英語にとらわれると、シンポの内容によっては表面的になる可能性があり、大橋大会長の計画しているシンポの内容に合わないため、信州の大会では日本語を使用する事を許可して頂きたいとの要望があった。大森幹事からは、岩手の学会では海外からの参加研究者に英語での発表は評判が良く、大会としては使用言語を英語にして行くのが望ましいとの意見がでた。大橋大会長から、若手の発表しやすい環境をつくり、その機会を与えるのも大切であり、発表時の使用言語について検討をしたいとの発言があった。御子柴幹事より、生理学会もabroadに活躍するためには英語での発表が基本であり、英語による発表はメリットが大きいことが発言された。議論の結果、今回もアカデミックプログラムについては英語で、ノンアカデミックなものは日本語という原則を堅持することが確認された。

11.将来計画委員会報告(前田委員長)

前田委員長より、前日に委員会が開催され、生理学会活動の活発化には日本医学会総会に合わせて、他学会との協同開催を企画するのが良いとの意見が出た事、また、アジアの若手研究者を学会の後で合宿をするような計画が提案されたとの報告があった。大森幹事よりKOJACHシンポの公募や参加範囲を広げることが提案され、前田委員長からは、韓国だけでなく、中国からの参加も取り入れてはどうかとの意見が出た。大森幹事から、香港の研究者と計画をしていることが説明された。
本間幹事から、初期臨床研修義務化以降激減している、基礎系大学院生を増やすような努力をお願いしたいとの要望があった。大学によっては、学部学生の時に大学院の単位を取れるようなシステムを導入しているところがあることが紹介された。河合幹事からは、教育委員会でもMD-PhDコースを大会で議論するシンポジウムを計画する等検討をしていきたいとの発言があった。

12.賞選考委員会報告(松田委員長)

八尾幹事より、今年度の生理学会奨励賞、入澤宏・彩記念若手研究奨励賞の選考が進行中であることが代理報告された。

13.生理学会女性研究者の会運営委員会(少作委員長)

少作委員長より、入澤彩賞の選考基準を決定し、受賞者候補5名を確定し、選考委員会で選考中と報告された。選考委員を生理学会員以外から選んでよいかとの委員会からの質問に、その方がよいということになった。大森幹事より年齢制限を申請に入れてあるが、もらえない人が出てくるのではないかとの質問があり、少作委員長から、3年単位で考えているので、そのようなことはないとの説明があった。柚崎先生から生理学会会員歴が問われていないが、との質問があり、御子柴先生から、生理学会会員であるとの限定はあるが、やはり会員歴を問うほうが、学会への貢献度増すと考えるとの発言があった。大森幹事から、生理学会での活動歴を記載するのがよいのではとの提案があった。この点は、次回までに検討してくることになった。

14.男女共同参画推進委員会報告(水村委員長)

水村委員長より、解剖学会との合同で、「ハラスメントの防止を目指して」と題したワークショップを計画していると報告があった。
職階別男女比アンケートを1月に実施予定、3月には結果を報告する予定である。
水村委員長より、男女共同参画推進学協会連絡会議の第10期の幹事を引き受けるように要望があり、今回は辞退出来ないので、委員の人数を増やすこととし、関野幹事と加藤幹事に依頼中であることが報告された。

15.法人化委員会(本間委員長)

本間委員長より、2009年一般社団法人へ変更したが、今後公益法人賭するのかは、検討する必要があることが説明。小西幹事より学術会議では公益法人化を勧めているが、現状の事務局機能では申請は困難であると思われるとの発言があった。

16.次期会長候補推薦委員会(宮下委員長)

岡田会長から、第一次候補者をリスト中であり、12月19日開催の委員会で二次候補3名を選ぶ予定であることが代理説明された。

17.若手の会運営委員会(佐藤委員長)

佐藤委員長より、2010年の活動報告夏のワークショップ、若手サマースクールの報告と開催予定のサイエンスカフェ、技術セミナーについて報告があった。
HPは最近の若い人はあまり見なくなっており、もっとアクティブに情報を発信できる方法を提案したいとの発言があった。HPやブログは情報発信の方法としては、既に古くなっており、最近は携帯電話での情報発信が重要になっている。若手の会ではすでにtwitterやブログやFacebookを設置したことが説明された。
岡田会長から、編集広報委員会へ若手の会から参加する事を提案された。柚崎幹事から学会の情報公開は情報の共有が重要であり、先端手段も大切だが、個々の情報の繋がりが明確なHP等の手段も保持する必要があるとの意見が出た。御子柴幹事より、英語会員名簿は、海外からのアクセスには必須であり、整備する必要があるとの意見が出された。

18.用語委員会(柚崎委員長)

柚崎委員長より、生理学会会員による日本医学会分科会用語委員会のWEB英和辞典の使用頻度が報告され、続けて多くの方に使用頂くように要望があった。さらに、日本語用語統一のため、和英辞典を計画中であり、用語の標準化を目的としており、用語の解説は次のステップとなることが報告された。

19.国際生理科学連合報告(倉智委員長)

岡田会長から、IUPS Society Representative に御子柴幹事を推薦、就任されたことが代理報告された。

20.FAOPS報告(岡田会長)

岡田会長より、第7回FAOPS大会が2011年9月に台北で開催されるので多数の参加をとの要請が行われた。
岡田会長から、2019年開催国に日本としてentryするかの提案があり、討議。2019年の生理学会大会と合同開催であることを条件に引き受けることをFAOPS理事会に申し入れることとなった。

21.第87回日本生理学会大会(盛岡大会)報告

佐々木大会長より、事業概要の報告があった。

22.第88回日本生理学会大会(東京大会)準備状況報告

栗原大会長代表より、3月27日に慈恵会医科大学で、幹事会を開催する予定であることが報告された。同日、市民公開講座開催予定。登録参加予定者は1488名
加藤幹事(大会プログラム委員長)より、1379演題、合同プログラム48, ランチョンセミナー7が予定されているとの報告があった。

23.第89回日本生理学会大会(信州大会)

大橋大会長より、準備状況の報告があった。

24.第90回日本生理学会大会(神奈川大会)

2013年日本生理学会大会長に横浜市立大学石川義弘先生が選出された。

その他

審議事項

  1. 前回議事録承認
  2. 次期会長候選出規程改訂承認
  3. COI委員会委員選出(研究倫理員会報告参照)
  4. 特別会員推薦(会員員会報告参照)
  5. 第90回日本生理学会大会会長として横浜市立大学 石川義弘教授を選出