第15回日本生理学会将来計画委員会議事録

前回の将来計画委員会において継続審議となっている「日本生理学会執行部の選出について」ならびに「生理学会からの提言」について、今までの議論を踏まえて慎重に検討を進めた。また、執行部選出と関連して、「新執行部体制への移行の手続きについて」を議論した。新たな課題としては、委員から提案のあった「科学研究費補助金審査委員の推薦について」を自由討論の形でとりあげた。その他、若手の会運営委員会の委員の選出について議論された。

掲載
2005/12/12, 更新:2006/04/14 22:20:26
日時
平成17年8月27日 13:00-18:00 – 28日  9:00-12:00
場所
自然科学研究機構・職員会館(東岡崎)
出席者
前田信治(委員長) 上坂伸宏 久野みゆき 久保義弘 黒澤美枝子 小西真人 辻岡克彦 西田育弘 二科安三 八尾 寛 徳永 太 中島龍一 宮川尚久
欠席者
彼末一之 松尾 理 森田啓之

前回の将来計画委員会において継続審議となっている「日本生理学会執行部の選出について」ならびに「生理学会からの提言」について、今までの議論を踏まえて慎重に検討を進めた。また、執行部選出と関連して、「新執行部体制への移行の手続きについて」を議論した。新たな課題としては、委員から提案のあった「科学研究費補助金審査委員の推薦について」を自由討論の形でとりあげた。その他、若手の会運営委員会の委員の選出について議論された。

日本生理学会執行部の選出方法について

先回の委員会での議論をもとに修正された案が提示され、執行部の選出についての骨子となる点について議論を進めた。以下の内容について修正を加えることで意見の一致を見た。骨子の具体的内容は「日本生理学会の執行部の選出について」としてまとめた。

  1. 会長の選挙は原案通り公選制とすることを確認した。会長候補者は評議員から自薦と他薦により公募し、応募者が無い場合には、常任幹事会が3名以上推薦することとした。公募の推薦者については、特に言及しないこととした。公募による立候補者と常任幹事会推薦者を合わせた候補者リストを選挙人に提示することとした。
  2. 選挙人としては、評議員に限定するか、一般会員まで含めるか、種々議論されたが、ある程度の学会経験もあり、責任を持って投票できる評議員が適当と判断された。また、評議員の学会運営への関与を高める意味でも適当であるとした。選挙にあたっての判断材料として、候補者の略歴(職歴、研究歴、本人の写真、など)、学会での活動状況、学会運営にあたっての抱負、専門分野と研究活動の概要などが必要とされた。
  3. 会長の任期は、常任幹事の任期に合わせて4年が適当とされた。学会の活動性と新鮮さを維持する上で、2期連続は好ましくないとの結論に至った。
  4. 選挙の結果、会長に地区常任幹事が選出された場合には、該当地区から常任幹事を補充することとした。
  5. 円滑な学会運営を行う上で、会長の任期の1年前に次期会長President-electを選出し、常任幹事会の構成員とすることとした。
  6. 副会長については、種々議論の結果、会長が指名し、常任幹事会で承認するという原案の通りとした。なお、副会長は、その任務の関係上、常任幹事から指名されることが望ましいとした。また、副会長が常任幹事から指名された場合には、該当地区から常任幹事を補充することとした。

新執行部体制への移行の手続き

公選制による会長の選出への移行措置について原案が示され、慎重な検討が行われた。議論にあたって、新執行部体制への移行には常任幹事会の合意ならびに評議員会と総会での承認が必要であること、平成18年3月に4年任期の会長選挙が現行通り実施された場合には新体制への移行が5年後になることなど問題点が示された。可及的速やかに新体制へ移行するための暫定的措置を含めて新体制への移行の概要が議論され、以下の結論を得た。

  1. 新会長が就任するまで1年間会長代行を置く。あるいは、現行制度のままで会長を選出しても、その任期は1年限りとする。
  2. 平成17年秋の常任幹事会で新執行部体制の将来計画委員会案ならびに新体制移行への暫定的措置案の承認を得る。
  3. 会則の改定を現執行部に依頼する。また、選挙管理委員会には選挙実施のための日程について検討を依頼する。
  4. 平成18年春の常任幹事会で会則の改定ならびに選挙実施の日程について了解を受け、新体制と会則の変更を合わせて総会での承認を得る。
  5. 総会での承認後、会長選挙の手続きに入る。選挙への日程の概要について検討した。
  6. 平成18年秋の常任幹事会で選挙結果が報告され、次期会長から副会長が指名され、承認を受ける。この時点で次期会長と副会長は常任幹事会の構成員となる。
  7. 平成19年春の総会で会長選挙の結果が報告され、新会長と副会長が就任する。

生理学会からの提言について

医学部の生理学教育と研究の重要性に視点をおいている内容が加筆された原案について検討され、若干の修正を加えて承認された。本提言は、将来計画委員会名で「生命の理(いのちのことわり):生理学教育と研究における問題と提言」として日本生理学会のホームページや日本生理学雑誌への掲載することで一致した。

科学研究費補助金審査委員の推薦について

委員長から科学研究費補助金審査委員の推薦の現状についての説明があり、自由な議論がなされた。生理学会が学術振興会へ審査委員候補者を推薦する過程で、日本生理学雑誌編集委員、Jpn.J.Physiol.の編集委員とreviewer、学会でのシンポジウムの座長など各分野の専門家の意見も反映してはどうかとの意見があった。学術研究委員会での議論について追加発言があり、引き続き検討を進めることとした。
議論の過程で今後の検討事項として「日本生理学会の倫理要綱」の制定について発言があり、他の学会での倫理要綱を参考にして議論を進めることとした。

若手の会運営委員会の充実について

日本生理学会・若手の会の運営委員会の発足にともない、運営委員の充実を図るために、常任幹事会の各種委員会の委員長に委員会委員として可能な範囲で若手の研究者を加えていただくことが要望された。

議事録への追加

8月27-28日両日の委員会後、「日本生理学会執行部選出について」の議事録の中で、会長の選挙が改革につながるものではないとの問題提起があり、メールによる意見交換がなされた。その結果、会長の選挙は公選制とすることが再確認された。自薦,他薦にて会長候補者の公募を行い、応募者の状況によって常任幹事会が複数名の会長候補者を追加推薦するができること、と変更することで一致した。