第20回日本生理学会将来計画委員会議事録

平成20年度第1回日本生理学会将来計画委員会議事録
(通算第20回日本生理学会将来計画委員会議事録)

日時
平成20年8月27日、28日
会場
京都府立医科大学基礎医学学舍
出席者
前田正信(委員長)、丸中良典、芝本利重、松尾 理、鈴木敦子、篠田 陽、丸山篤史、内田さえ、和気秀文、上田陽一、多久和典子、向阪 彰、白尾智明(順不同)
欠席者
河合康明、加藤總夫、徳田雅明、松田哲也(順不同)

議長: 前田正信(将来計画委員会委員長)
書記: 和気秀文、向阪 彰
資料:日本解剖学会と日本生理学会が基礎医学教室の現状についてのアンケート結果

議題

報告事項

日本解剖学会と日本生理学会が共同で行った基礎医学教室の現状についてのアンケート結果について、委員長より報告があった。回答した55名中、50名(91%)が「『基礎医学教育・研究の危機』を実感している」と答えた。その理由として、回答者のほぼ70%が複数回答で、「研究者の減少」「講座の縮小・統合」「予算面・資金面」「学生の臨床志向」を挙げた。

協議事項

  1. 基礎医学教室の現状、生理学講座の縮小・統合の問題について協議した。上記アンケート結果と同様、基礎医学教育・研究の危機を実感していることが多数意見であった。これは、日本生理学会のみの問題でなく基礎医学全体の問題である。日本学術会議への提言、マスコミ等で国民へアッピールしていく必要性で意見が一致した。
  2. 若い世代の生理学会への加入の問題について協議した。「一般社会へ生理学の必要性を投げかける」「子供達へ生理学を教え興味を起こさせる」問題について議論した。生理学会からボランティアで出前講義を小中高校生に行うことが、若い世代への啓発につながるとの意見が多数を占めた。このための新しい委員会を作ることには、結論まで至らなかった。
  3. 他の学会との共同開催の問題について協議した。IUPSの長期計画委員会の報告にもあるように、他の学会との共同で大会を開催することが活性化につながることで意見が一致した。将来は、米国のEB meetingが理想であるかもしれないとする意見が出た。先ずは、他の学会との連係シンポジウムを更に充実させることで意見が一致した。
  4. 他国の生理学会との共同開催の問題について協議した。アジアの他国において、その研究水準は急激に上昇している。EU内では他国と非常に友好関係を保ち、活発に学会を共催している。アジア全体の研究水準を更に引き上げるためにも、また、アジアのトップとして日本の研究水準と日本の学会の魅力を伝えるためにも積極的に共催で行うべきであるとの意見がでた。但し、いきなり共催で学会を行うのではなく、やはり連携シンポジウムから行い、優秀な研究者をinviteしていくことから始めるべきで、これをルーチン化するようシステムを確立することが重要であるとの意見がでた。日本生理学会大会を国際化するに伴い、地方会は若手中心であるということを再認識してもらう必要があるとの意見がでた。
  5. その他の問題について協議した。若手の会をどのようにして今後盛り上げていくかについても少し議論がなされた。まず、地方会でも若手の交流を持つべきことが重要であるとの意見が出た。また、女性研究者に関する話題も出て、コメディカルからももっともっと女性研究者が出てくるよう生理学に興味を持ってもらえるよう努力していく必要があるなどの意見が出た。