平成18年度第1回日本生理学会教育委員会議事録

日時
平成18年6月26日(月)14時~16時
会場
順天堂大学医学部1123カンファレンスルーム
出席者
松尾 理(近畿大)、河合康明(鳥取大)、岡田隆夫(順天堂大)、川上順子(東京女子 医大)、石松 秀(久留米大)、椎橋 実智男(埼玉医大)、渋谷まさと(女子栄養大)、山下俊一(日本大)(順不同)
欠席者
鯉渕典之(群馬大)、森田啓之(岐阜大)(順不同)

議長: 松尾理委員長
書記: 山下俊一

 協議事項

1.前期委員会の活動報告

前期委員会の活動報告が松尾委員長からまとめて話された。特記すべきは、MCQ問題集を出版したこと、大会中の教育委員会主催プログラムとしてモデル講義を企画・運営したこと、各大学にある実習用の画像データをDVDとして編集したことなどであり、いずれも会員の生理学教育への貢献に役立つものと総括した。今期も引き続き、会員の生理学教育に役立つ活動を主眼に多面的に展開し、長期的な将来像も述べられた。

2.生理学会における教育の重要性のPR

生理学会における教育の重要性を会員のみならず、一般社会にも認識してもらうために、まず日生誌の中に教育セクションをつくり、教育委員会がセクションエディターとして運営編集に携わり、また、誰でもアクセスできる生理学教育のページを生理学会webの中に作ることを学会会長に要請する。過去2回のモデル講義が各種教材・資料とともにビデオとしてwebで公開されているが、そのアクセスのためのパスワードなどを再通知するために、会員向けの教育提言を日生誌に掲載する。

3.CBT準拠生理学MCQ問題集の訂正と今後の方針

前回MCQの出版に関する訂正が指摘されたため、訂正を紙面で挿入すること、生理学会HPで掲示することとした。また、co-medical用問題集の必要性が指摘されており、実現に向けて具体的な方策と課題とを検討した。まず各分野で実際に教育に携わっている方々、ならびに内容のレベルなどを把握するための情報を収集することにした。マーケットサイズからは看護系が最大で、その他多用な学系で生理学教育の重要性が話題になった。

4.実習教材および教育資源活用

各大学への実習ビデオの配布に関しては、一般公開には差しさわる画像が一部に含まれることを配慮し、外部に出さない管理を前提にコピーを許可することとした。一方、このビデオは実習マニュアルとしてだけでなく、実習ができない場合の教材として非常に有用であることから、解説を加えて教材として仕上げること、一般公開可能な内容を切り分けてHPで公開することを今後検討していく。前期からの引き続きで、河合委員、渋谷委員にお願いすることにした。

また、実習に関連して、実習教材のIT化の例が山下委員から紹介され、今後の汎用性を考え、山下委員、石松委員、渋谷委員を中心にワーキンググループ(名称:デジタル教材部会)として、教材の作成、作成者の著作権の担保、教育資源への貢献度評価などを検討することにした。特に、Journal of Physiological and Medical Education (JPME)(http://jpme.jp)が日本生理学会のパイロットプロジェクトとしてスタートしているので、これを活用しながら、教育への評価を認定する方向に持っていくことにする。

5.「一歩一歩学ぶ医学生理学」をより良いe-learningシステムとする方策

e-learningシステム「一歩一歩学ぶ医学生理学」をより良いものとするために、生理学会がどのような協力ができるかが検討された。英語版を作ることを含めて将来の方向性を検討する小委員会が渋谷委員、石松委員、椎橋委員に依頼された。また、この「一歩一歩学ぶ医学生理学」が公開されている(http://physiology1.org)ので、会員諸氏の活用を希望する。

6.モデルコアカリキュラム改訂への対応

現在のコアカリキュラムは項目を細分化して羅列しただけであり、生理学としてのシステム的なまとまりがないことが指摘されている。これについて、和歌山医科大学前田教授(前期教育委員)により提言されたので、本提言をたたき台にして共用試験実施機構に提出する最終案について検討していくこととした。

7.IUPS2009での教育ワークショップ

IUPSのワークショップの内容はIUPSの教育委員会で決めてゆくことになるが、経済的なサポートは受けられない状況になっている。課題として、募集開始の期日を考えると、準備、特に会場の確保(グローバルな食事に対応できることが必要)には早期に着手し、同時に経済的サポートを確保することが必要である。

8.次回委員会

常任幹事会の当日ではなく、別途開催し、モデル講義担当者の選出・依頼、モデルコアカリキュラムへの対応の具体化など、各種日程行事に早い目に対応することにする。

以上