松田哲也(委員長)、奥村哲、宮川尚久、中島龍一、徳永太、小泉周、勝亦憲子
1.若手の会運営委員会発足
これまで、若手の会は数名の有志により世話人会をつくり、若手の会主催の活動を世話人が中心となり運営を行ってきた。現在では若手の会(一般)会員も400名ぐらいになりこれまでより運営体制をしっかりしていく必要性がでてきた。そこで、これまで日本生理学会若手の会世話人という形で若手の会の運営を行ってきたが、平成16年12月1日より日本生理学会若手の会運営委員会と名称を変更した。そこで、各細目が下記のように変更になった。
- 運営委員の任期は 2 年とする.
- 運営委員は 10 名以内とする .
- 運営委員の中から運営委員長(1名)、会計(1名)が選出される .
- 運営委員長、会計の任期は2年間とする(再選は妨げない)
その後、第 82 回日本生理学会大会時に行われた、日本生理学会常任幹事会、評議委員会において若手の会運営委員会を生理学会の常置委員会とすることが認められた。
2.生理学会年会(札幌)でのシンポジウムの開催
平成 16 年 6 月 4 日(金) 会場 第 81 回日本生理学会大会会場内( 3 日目)
テーマ「生理学は心脳問題をいかにとらえるべきか?」
シンポジストに、学会外から茂木健一郎さん、竹内薫さんの 2 名をお招きし、開催した。
事前の打ち合わせがあったことにより、当日の内容にまとまりができ、聴衆からは多くの質問や意見が出るなど、活気あるシンポジウムとなった。終了後の反響は例年よりも大きかった。
3.スチューデント・サイエンティスト・プログラム( SSP )
本プログラム ( SSP )は、学生の理科離れや研究指向をもつ優れた学生の生理学離れに対していかに対処できるか? 生理学会をより活性化していくにはどのような方策が考えられるだろうか? という問題意識にもとづいて、日本生理学会若手の会が企画した。将来の生理学を担う若い逸材を学会独自に発掘し、彼 / 彼女らに自らの手で実験 / 観察を行い、その結果を発表する機会を与えることが本プログラムの骨子です。2003年のSSP は前例のない第1回目の開催であったにもかかわらず、4名の発表学生(学部生中心)を含めて11名の熱心な参加を得ることができた。
プログラムでは「手ぶれ補正機能をもつビデオカメラのファインダーを覗き続けることで生じる高周波数に応答する特有な酔い」について、低周波成分に応答する乗り物酔いとの差異などを明らかにした医学部学生による研究など、学生独自のユニークな視点で進められた研究が発表された。各発表については若手間で議論すると共に、曽我部 正博 教授(名古屋大学医学部)にも貴重なアドバイスを頂いた。参加者のアンケートの結果は、概ね好評でこのような企画には学生側からも一定程度の要望があることがわかった。 生理学会将来計画委員会、および、 第 81 回日本生理学会大会 当番幹事の先生方、および当日貴重なアドバイスを下さった曽我部教授のご協力に感謝致します 。
日程: 2004年6月4日(金) 17:30 – 6日(日) 朝解散
会場: NTT北海道セミナーセンター
4.若手の会メーリングリストの運営
若手の会主催の行事に参加した人、メーリングリスト( ML )参加希望者がメーリングリストの会員となっている。現在約400名が登録している。サーバーはセキリティのこともあり比較的安全な UMIN のものを使用している。 ML では、研究会やジョブハンティングなどの情報などを中心に配信している。基本的に誰でも ML に登録できますので ML に参加ご希望の方は管理人の宮川尚久 (i n-miyakawa@brain.riken.jp) までご連絡ください。
5.ネーア博士インタビューの記事
平成 15 年 11 月に、来日中のネーア博士にインタビューさせて頂いた。その結果を、インタビュー記事という形で、翌平成 16 年春に公表した(日本生理学雑誌 66-3 、2004 および 日本生理学若手の会ホームページ)。
公表後は様々な形で反響が届けられた。概ね好評であったが、同時に、疑問や批判、誤訳の指摘などが寄せられた。
6.若手の会ホームページの運営
若手の会会員相互の情報交換や、若手の会主催の行事の告知、および記録の公開等を目的に98年よりホームページを運営している。これは何度かの更新を経て現在は、若手研究者データベース(会員自らがパスワードをもって管理できる 若手の会の会員データベース)、若手の会主催イベントの告知や過去の開催行事の記録、ネーア博士インタビューの記事などの若手の会会員による情報発信、若手の会会則、その他のリンク集などで構成されている。今後はさらに独自のコンテンツを充実させていきたい。
生理学若手の会HPのURL: http://physiol.cognitom.com/
7.生理学若手サマースクール 2004 の開催
平成16年8月1日(日)~3日(火) 会場 東京医科歯科大学講堂
テーマ「運動制御のシステム的理解」
昨年度は会場の関係上定員を 200名とさせていただいたのだが、残念ながら定員に達してしまったため参加できない参加希望者もいた 。アンケートから参加者は生理学の基礎を学べる場を求めていることがわかった。 参加者は医学、工学、心理学、薬理学、体育学、その他といった幅広い分野から集まっており、学際的なスクールとなっている。今回は運動制御をテーマとしたが、運動制御に関連する脳部位ごとに各先生に講義していただいた。大脳皮質、大脳皮質下、脊髄と一部分の領域、機能のみを取り扱うのではなく、全体をこのような短期間で学べる機会は貴重であると思う。また全体を学ぶことができることで情報の流れ(ネットワーク)までも理解できやすくなっているのではないかと思う。 参加者でかつ希望者には「修了証」を発行している。本年度からは日本生理学会から発行することになった。