第24回日本生理学会将来計画委員会議事録

平成23年度第1回日本生理学会将来計画委員会議事録

(通算第24回日本生理学会将来計画委員会議事録)

日時
平成24年3月27日

会場
ホテルブエナビスタ 松本

出席者
前田正信(委員長), 鯉淵典之, 久保義弘, 佐藤多加之, 丸中良典, 芝本利重, 上田陽一, 鈴木敦子, 多久和陽, 関野祐子, 佐々木拓哉, 内田さえ(順不同)

欠席者
矢田俊彦, 岡村康司, 石川義弘, 野田百美(順不同)

議長:前田正信(将来計画委員会委員長)
書記:内田さえ

資料:
(1)平成23年度第1回日本生理学会将来計画委員会資料
(2)文部科学省高等教育局医学教育課 村田善則課長の講演スライド(平成24年2月4日)

議題

報告事項

1 文部科学省は、「優れた研究医の確保」を「個性ある医学教育推進による社会的ニーズに対応した優れた医療人養成」の3つの達成目標の1つとして掲げている(資料(2))。さらに文部科学省は平成24年度予算に「基礎研究医の養成」として2億円を計上している。これらは,他学会との協力もあって、これまで日本生理学会が基礎医学の活性化に対して取り組んできた活動の成果である。

協議事項

1.他学会(日本解剖学会、日本薬理学会等)との交流について

日本生理学会の更なる活性化のために、大会を他学会と共同開催することが重要であるという点で意見は一致している。今回具体的な方策として、以下の点を常任幹事会に提案することで意見が一致した。

  • 日本解剖学会、日本薬理学会、日本生理学会の3学会の学術大会のどれか1つに参加登録費を払えば残りの2学会大会の参加登録費が無料となるような協定を3学会で締結すること。
  • 合同開催が望ましいが多くの困難もあるので、同一場所・同一時期に行う同時開催でも他学会との交流の目的が達せること。あるいはリレー開催も視野に入れることで意見が一致した。上記3学会の大会の合同・同時開催を2015年の日本医学会総会開催年を目標に行うことで、意見が一致した。
  • 研究内容の近い日本解剖学会・日本薬理学会との交流の他に連携可能な他学会にも門戸を広げること、共同開催となる際には生理学会のアイデンティティーを打ち出す必要性があることでも意見が一致した。

2.他国の生理学会との共同開催の問題

近年研究水準が急激に上昇しているアジア・オセアニアの国々と活発に連携していく必要性を協議した。英国生理学会大会、ドイツ生理学会大会が国境を越えて開催されている現状を考え、日本生理学会大会を北京、ソウル、台北またはシドニーで開催し,翌年その国の生理学会大会を日本で開催してもらうような協定を他国の生理学会と締結することに関して議論したが、時期尚早であるとの意見が多かった。前回の将来計画委員会の議論同様に、日中韓合同シンポジウムを充実させ、アジアの若い研究者を中心にtravel grantを充実させ来日した若い研究者に日本の生理学研究室を見学してもらうことで交流を深める必要性で意見が一致した。

3.若い生理学会員を増加させる問題

若い生理学会員を増やすための魅力ある大会学術プログラムのあり方について、発表形式、シンポジウムの数や発表者の選び方について協議した。学部学生を育て励ましていくようなセッションや、特にコ・メディカル系からの参加を促すために教育になるセッションが必要であるとの意見があった。この問題について、学術研究委員会や教育委員会とも連携して、対応していくことが確認された。今回、以下の点を常任幹事会に提案することで意見が一致した。

  • 生理学会大会においても若手を育てていくためには,一般口頭発表の機会をつくること。
  • 大会準備のために大会長を早めに決定する必要があること。
  • 会員の交流の場として全体の懇親会を引き続き実施すること。
  • 若手から教授まで参加できるような「(生理学の重鎮を講師に迎える)生理学サマースクール」の開催や、将来の夢として、「生理学のコールドスプリングハーバー」(分子生物学という新しい学問がコールドスプリングハーバーで創設・発展していったように、若手から教授まで夏休み1ヵ月ぐらい過ごせて自由にディスカッションできる場と雰囲気)を日本で作ることを提案することで意見が一致した。