将来計画委員会について

生理学会の将来に対する危機感を踏まえて、生理学の活性化、若手生理学者の動員と養成、生理学の重要性についての広報活動などを審議し、問題点を指摘し、具体的な行動目標の設定を目指して設置されました。

将来計画委員会の設立まで

生理学会の将来に対する危機感を踏まえて、生理学の活性化、若手生理学者の動員と養成、生理学の重要性についての広報活動などを審議し、問題点を指摘し、具体的な行動目標の設定を目指して、専門委員会を設置することが平成9年11月1日の常任幹事会で決められました。その後、委員を選任して、金沢での生理学会大会時に委員会を開催しました。その後更に若手委員を選任して、以下の報告書の如く委員会活動を開始しました。

第1回将来計画委員会報告

将来計画委員会(以下、本委員会)を平成10年9月5、6日の2日間にわたって生理学研究所で開催しました。先ず初めに本委員会設立までの経過報告を松尾委員長が行った後、本格的な討論を始めました。討論の土台としたものは、日本学術会議生理学研究連絡委員会によって作成されました「生理学の動向と展望」と、生理学会会則委員会の熊田委員長が作成されました「将来計画に関する組織検討についてのたたき台」の2つです。各委員から多くの問題提起がなされ、議論が白熱しました。本報告では、討論の結果策定されました3点の行動計画を中心に、主な討論内容をお知らせします。

I. 教育関係

  1. 全国の医学部・医科大学で進められているカリキュラム改革の中で、 統合(総合)カリキュラムやテュートリアルなどの新しい教育技法の導入があります。その中で生理学の重要性を学生に理解させるために、ある程度の時間枠が必要ですので、そのために各大学での関係者が生理学の存在意義を明らかにするようなカリキュラム編成を行って頂きたく、要望致します。その際、生理学的概念の理解にはある程度時間がかかるため、講義にもある程度まとまった時間枠が必要である旨の 討論がなされたことを追記しておきます。
  2. 自分の専門分野以外の講義を魅力的に、また同時に最新のものにするため「教育講演」を本委員会が生理学大会で企画し、実行することにします。具体的には、大会期間中、1日1時間の枠を3日間ともプロ グラムの中に設定して頂きます。
  3. その他、教育委員会が以前収集した教育用ビデオについても話題が上がりました。

II. 学会関係

  1. 学会のあり方に関して討論の結果、若手研究者の活動を一層促すことを目的として、若手研究者による「若手の会」(仮称)の組織化を支援することにしました。そこで本委員会の窓口を小泉 周先生(平成9年卒)に委嘱することにしました。
  2. 常任幹事会の中に女性の幹事がいない問題に関して、常任幹事の定数 の中に女性の枠を設ける件を常任幹事会で検討して頂くように申し入れることにしました。また「若手の会」と関連して「若手の枠」を設けることも検討して頂きたい旨の希望もありました。その他、常任幹事会のあり方や常任幹事の選出方法などについて様々な意見が出されました。
  3. 生理学会のホームページ(HP)の中に、あるいはリンクする形で次のページを作成してもらうことにしました。
    a. 若手の会の HP ・・・・・ リンクの形で上記の通り、小泉先生に HP も運用して頂きます。
    b. 廃棄予定の機器の紹介 HP ・・・・・ 生理学会 HP の中に作成して頂きます。各研究機関で使用予定が無く、廃棄されることになっている機器を公開し、希望者に譲ります。
    c. 求人、求職などの人事の HP ・・・・・ 生理学会 HP の中に作成して頂きます。人事が急に行われなければならない時に、日生誌や商業誌以上に役立つ HPにして頂きます。
  4. 大会運営関係
    a. 現在、大会の運営は教育委員会の教育シンポジウム以外は全て当番幹事に任されています。生理学会として企画運営するプログラムがあっても良いのではないかという提案もあって、金子委員からその具体化が進行中である発言がありました。
    b. 地方会のあり方について各地域の実状が報告されました。若手研究者の育成のため、座長を助教授以下の若手に委嘱しているところもありました。また、医学部以外の学部からの参加者が非常に多い地方会 の運営もありました。学部学生が活発に発表している地方会もありました。何れにしても、地方会は若手研究者の研究活動の促進、情報交換の場として重要と考えられているようです。

III. 研究に関連して

研究者養成のために有る大学院が大きく変貌を遂げています。特に大学 院大学とそうでない大学との相違、MD PhD 制度の導入などについて、多彩な討論がなされました。また 研究の問題として科研費のことにも多くの議論がなされました。これらの点に関して最終的に委員会として行動目標を出すには到りませんでした。

IV. 終りに

今後とも多くの面で議論が必要なので、次回の委員会を大会中に2,3時間かけて行うことにしました。