平成16年度 第2回常任幹事会議事録

日時
平成 16年 11月 27日 午後 1時 – 5時

会場
学士会館分館(本郷)

出席者
青木 藩、香山雪彦、板東武彦、今泉和彦、佐久間康夫、本間生夫、宮下保司、川上順子、篠田義一、持田澄子、久場健司、西野仁雄、水村和枝、福田敦夫、大森治紀、松尾 理、丸中良典、前田信治、徳田雅明、辻岡克彦、今永一成、小杉忠誠、久保義弘、松田哲也(若手の会代表)、金子章道、栗原 敏、岡田泰伸、倉智嘉久、丸山芳夫(次回当番幹事)

欠席者
赤池 忠、泉井 亮、城所良明、渋木克栄、明間立雄、岡野栄之、伊佐 正、津本忠治、吉村 恵、能勢 博、小泉 周、野間昭典( JJP 編集委員会委員長)、丹治 順(次回当番幹事)

報告および協議事項

1. 会長挨拶

金子会長から出席者に対し謝辞が述べられた。引き続き、 JJP 発行計画、学術会議改革など日本生理学会を取り巻く諸問題に関連して審議を尽くしていただきたいとの挨拶があった。

2. 前回議事録の承認

前回(平成 16 年 6 月 1 日)開催の平成 16 年度第一回常任幹事会の議事録が原案通り承認された。

3. 庶務報告および会則改訂と委員会の見直しについて

金子会長から資料に基づき庶務報告が行われた。また、平成 16 年 6 月 3 日開催の平成 16 年度評議員会・総会において、「当番幹事」の名称を「大会長」に改めることが承認されたことに伴い、日本生理学会会則を次のとおり改めることが会則委員長の同意の下に、会長より提案され、原案通り承認された。

6 本会の役員には評議員、常任幹事、監事および当番幹事がある 本会の役員には評議員、常任幹事、監事および大会長がある
10 当番幹事は大会の開催を引き受けた評議員であって、大会の一切の事務を行う。大会終了後次回登板幹事に事務引継ぎを行って任期を終わる。この任期中評議員会および総会を招集し、これを司会する。 大会長は大会の開催を引き受けた評議員の代表者であって、大会の一切の事務を行う。大会終了後次期大会長に事務引継ぎを行って任期を終わる。この任期中評議員会および総会を招集し、これを司会する。

また、会長から、現在の会則委員会は評議員会・総会などで行われた決議に基づいて会則の字句の修正を提案することを任務としているが、今後この作業は専任幹事が行うこととして会則委員会を廃止すること、「評議員推薦委員会」を「会員委員会」と改め、会員資格喪失の防止、常任幹事選挙などの際の定員の見直しなど会員に関わる諸業務を担当することに変更したい旨提案があり、全会一致でこれを承認した。

4. 編集・広報委員会報告財務報告

岡田編集・広報幹事から日本生理学雑誌に関して報告が行われた。号数にマッチした時期に発行がされるようになったこと、会員ページも外注によりリニューアルを準備していることが報告された。

5. 財務報告

本間財務幹事から平成 16 年度会計の中間報告が行われた。また、平成 17 年度予算については 5 月の総会までの間空白になるのを避けるため、固定支出に関しては前年にならって執行したい旨発言があり、これを了承した。

6. JJP 編集委員会報告

本間委員(野間委員長の代理)から JJP の編集・発行状況について報告があった。JJP の編集発行は学会刊行センターに委嘱していたので、日本生理学会は学会事務センターの倒産に伴う被害を受けることは無かったが、編集発行を担当していた渡辺氏は事務センターの職員であったので、刊行センターで JJP の刊行を継続することは困難になったと判断された。そこで編集委員会では外国の出版社を含め複数の出版社に JJP 刊行の意思があるかどうかを問い合わせ、刊行計画、見積もりを求めたところ Elsevier, Blackwell, Springer, Medical Tribune (M T ) 社の 4 社から提案を受けた。この提案をもとに、?世界の online Journal 化への流れに適応して、 JJP 論文が世界の何処からでも閲覧できる環境を整え、論文著者にとって魅力ある雑誌にする、?適正な購読料を設定し、安定した JJP の発刊を確保する、? JJP のポリシーを世界に訴える、などの観点から MT 社に委託することを決定した。実際には MT 社が HighWire Press に JJP を登録し、そこに参加することになることによって?の条件を満たす。

購読料については 2005 年に関し、これまで通り年額 9,000 円として日本生理学会が徴収し、これを MT 社へ支払うこと、 2006 年以降に関しては年額 3,000 円として評議員の生理学会会費の一部とするか、会員全員が online 購読するものとして年額 1,000 円を会費として徴収するかの 2 案が提案された。

これに対し、 2005 年に関する年額 9,000 円の根拠が明確でないとの反論があり、再度、編集委員長、会長、財務幹事の間で MT 社からの見積もり、購読料徴収に掛かる事務費用を積算の上、購読料を定め、持ち回り常任幹事会の承認を得たのち決定することとなった。

2006 年以降に関しても同様である。

誌名の変更について編集委員長からは Logic of Life ? Japanese Journal of Physiology の提案があったが引き続き検討することとなった。
これに関連して会費の定めは会則から外し、会則改訂を要しない表現に改めてはどうかとの意見があった。

7. 教育委員会報告

松尾委員長から仙台大会における教育シンポジウムに関して協議し、北澤教授、高木教授、芝本教授、前田教授に「モデル授業」をお願いすることになったこと、「モデル授業」の際に、他の教員が参考にできるようビデオ撮影を行い、テープ、 DVD 等を製作してはどうかと議論したこと、さらに、「ベスト生理学授業シリーズ(仮称)」が議論されたことが報告された。

また、実習用のビデオ教材を共有できるかどうかを検討し全国の教室にアンケート調査を行うことになったことが報告された。

生理学実習書、及び生理学 MCQ 問題集はそれぞれ評価も高く、社会的ニーズもあきらかであるが、内容が古くなり現代に適合させるため、改訂を検討している旨報告された。

8. 学術・研究委員会報告

久保委員長から、仙台大会におけるシンポジウムの提案を 3 件行ったところ、これが認められたこと、科学研究費補助金の時限付分科細目として?異分野融合ポストゲノム科学、?光技術生命科学を提案したこと、?科学研究費補助金の審査員に関する情報提供方式が、学術会議を経由せず、各学協会から直接学術振興会へ提出する方式に変更されたことの説明があった。生理学会ではこの変更に関わらず、これまで通り評議員の投票による選出方法を取りたいことが提案され、了承された。これに関連して、日本生理学会の選出方法を学術振興会へ文書で報告すべきであるという意見が出された。

金子会長(学術会議会員)から生理学研究連絡委員会から時限付分科細目としてこのほかに?疼痛学の提案があり、合わせて 3 項目を第 7 部に提案したところ、このうちの疼痛学が第 1 位、ポストゲノム科学が第 3 位で第 7 部からの提案になったことが報告された。

前回の常任幹事会において大森前委員長から大会参加費のガイドラインを策定してはどうかとの意見があったが、「非会員のシンポジストの参加費は無料とする」ことを申し合わせ、その他の参加費については大会毎に事情が異なるのでガイドラインには含めないこととした。

また、(独法)科学技術振興機構の研究開発支援総合ディレクトリ( ReaD )の生理学に関する分類が相応しくないのでこれに対して学会から意見を述べることとなった。

9. 研究倫理委員会報告

板東委員長から動物愛護管理法の見直し問題に関連して、学術会議第 7 部報告「動物実験に対する社会的理解を促進するために」が発表されたことについて報告があった。また、動物愛護管理法の見直しに関する進捗状況、 RDS 立ち上げに関する状況などが報告された。

10. 将来計画委員会

前田委員長から生理学会の発展のために引き続き若手の会の活動を支援していくことで一致したことの報告があった。

学会の在り方に関して、大会の地方会とは相補的な関係にあるとともに魅力ある学会に向けての工夫が必要であること、医学部出身者以外の会員に対する生理学教育と研究手技の提供の場を学会として工夫する必要のあること、日本生理学会の国際化に向けて外国人の参加を促すとともに、参加の機会を増す工夫が必要であることが提案された。

医学教育の中で生理学教育の重要性が薄れていく現状を憂慮し、その対応策として、医学部出身者以外の研究者や一般社会人等に対する生理学教育の推進、日本生理学会のホームページの教育面からの充実、生命科学理解の基礎としての生理学実習の充実などを検討するとともに、これらに視点をおいた提言をまとめ、公表する方向で検討している旨の発言があった。

11. 生理学若手の会

若手の会代表松田氏から夏の学校では 200 名近い受講者があったこと、札幌大会において SSP ( Student Scientist Program )を実施したこと、本年も 7 月 31 日から 8 月 2 日まで夏の学校の開催を計画していることの報告があった。また、世話人の改選が行われ、世話人会を運営委員会と改称したことが報告された。

12. 男女共同参画推進委員会

水村委員長からアドバイザー制の導入に向けての委員会の活動について、また男女共同参画学協会連絡会について報告があった。生理学会としてアドバイザー制を行うことが了承された。

13. 日本学術会議生理学研究連絡委員会報告

金子第7部会員から科研費時限付分科細目の提案、科研費審査員に関する情報提供方法の変更についての報告があり、さらに、改革後の学術会議会員候補者の推薦が日本生理学会宛に送られてきていることの説明があった。締め切り( 12 月 20 日)が迫っているので評議員の投票を行っている余裕が無いことから、会員候補者は現常任幹事および任期を終えた前期の常任幹事の中からは条件に合致している方を常任幹事が投票により選出する方法が提案され、投票を行った結果、下記の方々が選出された。

  1. 女性 3 名(水村和枝、高木 都、貴邑冨久子)
  2. 若手 3 名(久保義弘、伊佐 正、福田敦夫)
  3. その他(岡田泰伸、宮下保司、金子章道、本間生夫、宮崎俊一、大森治紀、津本忠治)

14. 第 36 回 IUPS Congress 組織委員会報告

倉智プログラム委員会委員長から約 10 件の協賛学会の Sponsored symposium を確保し関連学会に呼びかける案が提案され、基本的にこれを了承した。

15. IUPS 役員会報告

金子 IUPS 第一副会長から 2005 年 4 月に改選される新役員、理事の名簿が紹介され、日本生理学会としては原案を支持することが承認された。また、 2005 年 4 月の総会に出席する代表の選任については金子会長に一任することとなった。

16. 第 82 回日本生理学会大会(仙台大会)準備状況の報告

丸山副大会長から、会期は 2005 年 5 月 18 日- 20 日、会場は仙台国際センターで行う準備が進められていることが報告された。

17. 第 81 回日本生理学会大会の報告

青木幹事から会長から第 81 回日本生理学会大会について報告された。