日本生理学雑誌 第69巻 4号

CONTENTS

• VISION - JPSをめぐる断想(遠藤政夫) P.135～
• SCIENCE TOPICS - 過興奮によるニューロンの膨張とネクローシス死の誘導メカニズムの解明:容積感受性クロライドチヤネルの役割 (井上　華) P.137～
• LECTURES - 生理学序説-「生理」をどう捉えるか-[3] (神野耕太郎) P.138～
• PROFILE - 水島　昇 P.162～
• HELLO PSJ - イェール大学留学紹介 (住岡暁夫) P.163～
• AFTERNOON TEA - 駒井章冶 P.165～
• AFTERNOON TEA - 泉崎雅彦 P.165～
• AFTERNOON TEA - 林　直亨 P.165～
• INFORMATION - 千里ライフサイエンスセミナー　プレインサイエンスシリーズ第20回 「小胞体ストレスと脳神経疾患」 P.169～
• INFORMATION - 2007年度　地球化学研究協会学術賞　「三宅賞」および「奨励賞」候補者の募集. P.170～
• RECORDS - 生理学研究所の歴史(前編) (山岸俊一) P.171～
• CALENDAR - 主な研究集会日程 P.179～

表紙の説明

第83回日本生理学会大会(前橋)
演題番号: 1P1-061
演題: 「カルモジュリン依存性キナーゼ㈵㈵を介した血管受容体作動性Ca²⁺チヤネルTRPC6の活性化制御に関与するアミン酸残基の探索」
演者: 高橋眞一¹,下司直美^1・2,森　泰生³,伊東祐之²,井上隆司¹
所属: ¹福岡大医学部生理,²九州大院・医・生体情報薬理,³京都大院・工・生物化学

血管の緊張度は,交感神経を始めとする神経因子,アンギオテンシンII,バゾプレッシン等で代表される液性因子,そして血管内庄上昇などの機械刺激によって惹起される内因的な反射性収縮機序(筋原性反応)によってダイナミックな制御を受けている(左図).最近,これらの三つの異なる制御系が収束する共通の分子として,血管平滑筋膜に存在するCa²⁺流入チヤネルTRPC6蛋白質を介した情報伝達が重要な役割を果たしていることが明らかになってきた.更に,TRPC6の活性化・不活性化過程はCa²⁺依存性キナーゼII(CaMKII)や蛋白質キナーゼC(PKC)によるリン酸化によってそれぞれ正・負の効果的な制御を受けており,前者には487番目のトレオニンのリン酸化が密接に関与していることが明らかとなってきた(右図).