平成23年度 入澤彩記念女性生理学者奨励賞

 西谷(中村) 友重 (国立循環器病研究センター・分子生理部)
「心臓・神経系におけるカルシウムセンサーNCS-1の多彩な生理機能の解明」

第2回入澤彩賞選考の報告

入澤彩賞選考に関する業務をWPJ(生理学女性研究者の会)は生理学会より委託されています。実際の選考は選考委員(WPJ会員および非会員より構成)が行いますが、WPJとしては選考の公平性を保つため選考過程をできるだけオープンにしたいと考えています。以下に、第2回入澤彩賞の選考がどのように行われたのか、をご報告いたします。

1. 選考委員の選出

選考委員の選出においては年齢層が偏らないように注意し、4名の応募者のそれぞれの研究分野に比較的近い人を含む女性研究者5名(WPJ会員2名、非会員3名)に選考委員をお願いしました。そして、応募者の提出した申請書一式を選考委員に郵送し選考を依頼しました。

2. 選考委員会による選考の流れ

選考委員長より提出していただいた議事録を基に、実際の選考がどのように行われたのかを以下に示します。

  1. メール会議の採用
    選考はすべてメール会議で行うことが委員長より提案され了承された。
  2. 確認作業
    生理学会ホームページの記載に基づき、入澤彩記念女性生理学者奨励賞(入澤彩賞)の創設の目的と選考基準についての確認作業が行われた。
  3. 評価のポイント
    評価のポイントとしては、基本的には前年度の評価基準を踏襲することが決められた。すなわち、
    (a)独自の発想に基づく研究を行っている
    (b) 一つのテーマに沿って継続して研究を行っている
    (c) 研究内容が国際的に高い評価を受けている
    (d)生理学の研究の発展に寄与する研究を行っている
    の4点である。さらに各選考委員の判断を重視し、また詳細なポイントについては個々の申請者について検討する中で議論することとなった。
  4. 選考方法
    選考方法としては以下の様に行うことが決められた。
    (i) 各選考委員が申請書に目を通し、1位と2位と考える候補者名とその理由となる評価できるポイント、下位の判定を下した候補者についてのコメント(任意)、を選考委員自身の研究の専門分野とともに委員長あてに知らせる。
    (ii) 選考委員長は集まった情報をどの選考委員の意見であるかを明示した形で一斉に委員全員に知らせる。
    (iii)集まった評価を基に各選考委員が再考する期間を設け、この間に意見、質問などを交換して議論する。
  5. 選考
    上述の方法にしたがい選考が行われ、追加の意見が無い事を確認した後に、各選考委員による投票が行われ受賞候補者1名が選ばれた。

(以上、議事録より要約)

3. 受賞者の決定

選考委員長より選考結果が報告され、WPJ運営委員会はそれを承認し、受賞者が決定されました。

以上が第2回入澤彩賞受賞者が決定されるまでの経緯です。選考委員および入澤彩賞に応募・推薦して下さった方々、その他関係者の方々に心よりお礼申し上げます。

WPJ運営委員長 少作隆子