矢野(梨本)沙織 (Saori Yano Nashimoto)
北海道大学 大学院獣医学研究院 生理学教室
2025年度 入澤彩記念女性生理学奨励賞(入澤彩賞)若手枠 審査報告
入澤彩賞若手枠応募者5名から1名を選出した。審査委員には候補者の分野に近い研究者で構成し、男女の数を考慮して、男性3名、女性4名の方を審査員として選出し、厳正なる審査をして頂いた。
【審査の流れ】
10月30日 入澤彩賞運営委員会委員長より高橋委員へとりまとめ役を依頼
11月1日 審査委員に応募者情報がメール配布され、一次審査開始
各審査委員が審査結果を高橋へメールで送付
11月10日 一次審査締切・集計、二次審査(Zoom)開催決定・日程調整
11月12日 二次審査(Zoomによる話し合い17:30-約1時間)、受賞者選出
【審査過程】
・一次審査
審査基準:
1)独創的な研究であるか、研究業績は良好か。
2)ライフ・ワークバランスを上手に取って研究してきたか。
3)社会貢献、学会活動等社会に対する評価
以上の3項目に関して、各審査委員は、それぞれ100点満点で点を付けたうえで、(1)を50%、(2)を30%、(3)を20%の比重にして総合点を算出し、それを基に総合順位をつけた。
全審査委員の結果が集まった後、応募者5名の評価をとりまとめ役・高橋がまとめ、審査委員名を匿名化した上で、審査委員に共有した。一次審査の結果、応募者5名の総合得点が最大6点の僅差であったため、とりまとめ役・高橋が二次審査の開催を判断し、Zoomでの話し合いを行う日程調整を行った。
・二次審査
二次審査では、はじめに一次審査の結果、特に1位から3位の3名は総合得点の差が1.5点以内で極僅差であったため、1位~3位の3名の中から二次審査を行うことを合議した。
その上で、3名の中からどのように1名を選出すべきかを合議し、総合得点で選考するのが妥当であるという意見と、ライフ・ワークバランスを重視したいという意見があった。そこで、参加審査委員全員が苦慮し合議した結果、二次審査では、対象の上位3名の順位を各審査委員が再考し、平均順位が最も上位である応募者を受賞者とすることとした。尚、1名だけ、都合によりZoom に参加できなかった審査員の再順位付け結果は事前の文書にて示されている内容に基づき設定した。
審査員の総合判断の結果、北海道大学の矢野(梨本)沙織氏が選出された。矢野氏は、3度の出産を体験しながらも上手くライフ・ワークバランスを取り、特に妊娠中に、「つわり」について何も分かっていないことに気がつき、「つわりと脳内神経回路に関する研究」を進める等、自身の経験を研究にもプラスとしていく前向きな考え方も大いに評価された。さらに、将来の展望についても、今後の活躍が期待される若手研究者とであるとして評価された。
2025年12月15日
入澤彩賞運営委員会委員
若手枠とりまとめ担当
高橋 由香里
委員長 荒田 晶子
























