第7回入澤彩記念女性生理学者奨励賞(入澤彩賞)学会賞
姫野友紀子 (立命館大学・生命科学部生命情報学科)
「生理機能の統合的理解を目指す生体シミュレーション~毛細血管モデルを例として~」
第7回入澤彩賞選考の報告
入澤彩賞選考に関する業務をWPJ(生理学女性研究者の会)は生理学会より委託されていますが、実際の選考は選考委員(男女両性により構成)が行います。WPJとしては選考の公平性を保つため、選考過程をできるだけ公開したいと考えております。以下に、第7回入澤彩賞の選考がどのように行われたかをご報告いたします。
- 選考委員の選出
選考委員の選出において注意した点は①年齢層が偏らない②応募者のそれぞれの研究分野に比較的近い研究者③応募者と師弟関係や共著者などの関係がない研究者です。 これらに注意し、研究者5名(男性3名、女性2名:WPJ会員0名、WPJ非会員5名)に選考委員を依頼しました。選考委員決定後、応募者から提出された申請書等一式を選考委員に郵送し、選考をお願いしました。
- 選考委員会による選考の流れ
選考委員会では次の手順で厳正な選考が行われました。選考委員長は委員の互選により決定しました。選考委員長からの報告は以下の内容です。
<選考委員長よりの報告>
応募者6名について、下記の通り第一次審査と決選投票を行い、 受賞候補者1名を決定した。
第一次審査
選考方法: 各選考委員が下記の各項目につき候補者を相対評価にて採点し、採点結果、および各項目で1位とした候補者についてはその理由を記述した審査表を、選考委員長宛にEメールで送付。選考委員長は点数の集計結果と各選考委員からの評価コメントを記名式で全選考委員に報告し、決選投票を行う第一次審査得点上位2名 を決定 。
選考の観点:下記の2つの項目に分け、さらに「(1)多面的な活動」の配点を「(2)(研究業績」の配点よりも大きくすることで、本年の選考の特色の明確化を図った。
(1)多面的な活動(30点満点): 応募要項に従い、過去3年間の多面的な活動を、具体的な活動内容(活動期間または活動年月日・活動時間・対象人数など)等を含めて対象とし、1位30点、2位24点、3位18点、4位12点、5位6点、6位を0点で評価した。
(2)研究業績(15点満点):下記の3項目について1位5点、2位4点、3位3点、4位2点、5位1点、6位を0点とした。
(a) 主体性・リーダーシップ、(b) 独創性、(c) 生理学分野における発展性
決選投票および最終選考結果
選考方法:第一次審査において、総合得点が上位となった2名(多面的活動についても上位2位)について、各選考委員が、(1)、(2) の項目及び総合的な観点から評価して、1名を選び、選考委員長に報告した。決選投票では、2名ともに、多面的活動、研究 について、各々特色ある業績が高く評価されたが、総合的観点から選考委員全員が第1位に選んだ、姫野友紀子氏を受賞候補者とした。
- 受賞者の決定
選考委員長より選考結果が報告され、WPJ運営委員会はそれを承認し、受賞者が決定されました。以上が第7回入澤彩賞決定までの経緯です。選考委員および入澤彩賞に応募・推薦してくださった方々、その他関係者の方々に心よりお礼申し上げます。
H28年度WPJ運営委員長 藤山理恵