新学術領域研究 宇宙に生きる-宇宙からひも解く新たな生命制御機構の統合的理解- 公募研究募集

宇宙からひも解く新たな生命制御機構の統合的理解

領域略称名:宇宙に生きる 領域番号:4704

設定期間:平成27年度~平成31年度

領域代表者:古川 聡

所属機関:宇宙航空研究開発機構有人宇宙技術部門

今日人類は、宇宙居住や産業における宇宙利用も視野に入れて宇宙に飛び出し、長期宇宙滞在に挑戦している。その中で、宇宙は生命体にとって文字通り極限環境であり、人類においても、無重力による筋萎縮・骨密度低下、宇宙酔い・循環障害、免疫力低下、宇宙船という閉鎖環境滞在による精神的ストレスや睡眠障害、放射線被ばくや微生物叢の変化による環境リスク等、克服すべき多くの課題があることが浮き彫りになってきている。これらは有人宇宙探査での超長期宇宙滞在時に向けて解決すべき課題であると同時に、それらの理解と克服の道筋は、地上の高齢化・ストレス社会での生命維持・恒常性の担保に貢献し、健康長寿社会につながることが期待できる。このような現状認識のもと本領域は、宇宙・極限環境に生きる生命制御機構の統合的理解を目的とし、生命体が有する①可塑性(適応・修復・頑強さ)と②破綻(不可逆なダメージ)を科学する。

研究項目A01では細胞から組織・器官のレベルにおける、重力変化を中心とする物理的ストレスへの応答を、A02ではより高次のヒトやマウス等個体レベルでの重力変化や閉鎖環境・心理的ストレス等の影響を、A03では宇宙・閉鎖環境にともなうリスクとして宇宙放射線被ばくの生物影響と微生物変遷を、それぞれ中心的に研究する。さらにこれらの研究を繋ぐ横断的な研究項目B01を新たに設け、全体として単年度当たりの応募額500万円を上限とする研究10件程度、300万円を上限とする萌芽的・挑戦的研究を12件程度募集する。本領域では、JAXA 閉鎖環境適応訓練設備の共同利用をはじめ、積極的な共同研究を推進しようとしている。領域内の共同研究を積極的に計画する提案や、独創的なアイデア・研究実績に基づく研究を歓迎する。

研究項目 応募上限額(単年度) 採択目安件数

A01 宇宙からひも解かれる生命分子基盤の理解

500万円 2件

300万円 3件

 

A02 生命体が個体として有する高次恒常性・適応機構と生命医学へ展開

500万円 3件

300万円 3件

 

A03 宇宙に生きるためのリスク研究とそれらの克服

500万円 2件

300万円 3件

 

B01 上記研究項目の研究を繋ぐ横断的な研究、どの項目にも属さない補完的な研究

500万円 3件

300万円 3件

 

<詳細>

http://living-in-space.jp/public-research-recruitment/