CONTENTS
- SCIENCE TOPICS - 心臓のミクロ世界に「カオス」が隠れていた!·―秩序とゆらぎが生み出すリズムの秘密―(新谷正嶺)、 活動電位がなくても収縮できる筋肉· (秋山千史,坂田宗平,小野富三人)
- AWARD - 河合喬文(第26回 日本生理学会奨励賞)、 角野 歩(第26回 日本生理学会奨励賞)、 大屋愛実(第26回 日本生理学会奨励賞)、 志村大輔(第15回 入澤宏・彩記念若手研究奨励賞)、 渡邊 将(第15回 入澤宏・彩記念若手研究奨励賞)
- EDUCATION - ロボティックプロセスオートメーション(RPA)を活用した試験· 問題の作成と管理(児玉貴史,宮田英明,満塩博展,宮田麻理子)
- AFTERNOON TEA - 河合喬文「あと2000字あれば書けた話」、 多田敬典「大府での御縁と奔走」、 相馬祥吾「神経生理学を通して広がる世界」
- BOOK REVIEW - 書評「フレッシュ生物学」(小野富三人)
表紙の説明

〈表紙の図〉
大会名:第130回日本解剖学会・第102回日本生理学会・第98回日本薬理学会·合同大会
(APPW2025)
演題番号:2P-433
演題名:生体内カルシウムイメージングで見えてきた肝細胞カルシウムシグナルの自律神経制御
演題名(英語):In vivo calcium imaging revealed autonomous nerve-mediated regulation of intracellular calcium signals in mouse liver hepatocytes
演者:谷田部一輝1,平岡優一2,3,茂木優貴1,三木敏生1,飯野正光1,金丸和典1
所属:1.日本大学医学部·生理学分野,2.東京大学大学院·医学系研究科付属疾患生命工学センター·動物資源学部門,3.東京科学大学·難治疾患研究所·分子神経科学分野/未来ゲノム研究開発支援室
説明(キャプション):
肝細胞内Ca2+シグナルは代謝などの重要な生体機能制御に関わるが,その知見の多くが生体外すなわちex·vivo実験の結果に基づいているためin·vivoでの検証が必要である.そのために我々はCa2+センサータンパク質yellow·cameleon-Nano50(YC-Nano50)を肝細胞特異的に導入したトランスジェニックマウスを作出し,in·vivo·Ca2+イメージング手法を確立した.これまでの解析では,麻酔・開腹条件下の同マウスにおいて,空間同期性の比較的高い自発的な肝細胞Ca2+オシレーションが観察されている.肝細胞Ca2+オシレーションは交感神経トランスミッターおよびIP3に強く依存することを見出している.
A:Ca2+センサータンパク質YC-Nano50の模式図.Ca2+依存的なカルモジュリン(CaM)とM13の相互作用に伴うCFPとVenusの近接により,CFP-Venus間の蛍光エネルギー共鳴移動(Förster·Resonance·Energy·Transfer:FRET)の効率が飛躍的に上昇することを利用したratiometric·Ca2+センサーである.
B:麻酔・開腹マウスの肝臓を蛍光実体顕微鏡システムでイメージングした.肝臓における強いVenus蛍光によりYC-Nano50が強発現が確認された.低倍率では肝葉(Lobe),やや高倍率では肝小葉(Lobule)構造が鮮明に観察可能であった.
C:広視野観察における肝葉間のCa2+動態比較.ほとんどの個体において肝葉間で同期したCa2+動態が観察された.
D:肝小葉間のCa2+動態比較.この例は肝小葉同士の同期性が比較的高かった.
利益相反の有無:なし

























